P.3


 ヒナ:・・・ん、・・・んうぅ・・・
三津川:気がついたみたいだな。

 ヒナ:・・・・・・アタマ痛い。
 鈴原:大丈夫なのか?
 張山:捕まえるときに使った薬の影響だろうよ。




 ヒナ:う・・・・・・・・誰?
    ここ・・・・・・どこ?

三津川:お目覚めのようだな。
    高嶋女雛。

 ヒナ:・・・んん・・・・・・
三津川:張山、起してやれ。
 張山:はい。
    おら、起きるんだよ。

 ヒナ:・・・ん・・・あっ?
    ・・・・あんた張山?
    
ヤッ、ヤダ馬鹿、ヘンタイ!
    
さわんないでよ!
 張山:んだと、このアマ!
 ヒナ:・・・・・・ひっ
三津川:張山!
    傷をつけるんじゃない。
    あとで面倒になる。

 張山:・・・チッ。
 鈴原:やあ、久しぶりだね、女雛ちゃん。
 ヒナ:鈴原・・・さん。張山もいて・・・・
    じゃあ、もしかして真ん中のあんたが・・・三津川?

三津川:その通りだ。
    ちゃんと会うのはこれが始めてだな。

 ヒナ:あ・・・あたしになんの用なの?
    もうあんた達のことは警察に全部喋っちゃったからね。
    いまさらあたしをどうこうしても、何も変らないよ。

三津川:ふん。
    警察などどうにでもなる。
    煙に巻くのは簡単だ。
    今までだってそうやって来たんだ。

 鈴原:おいおい、冗談じゃない。
    この小娘のおかげで、私はすべて失ってしまったんだぞ。

三津川:それは鈴原さん、あなたが我々になんの断りもなく行動を起したからですよ。
    まあ、金が手に入ったらしばらくどこかに身を潜めるんですな。
    それ以上は面倒見切れません。

 鈴原:三津川さん・・・・・
三津川:こうしてあなたを匿っているだけでも
    我々は相当なリスクを負っているんだ。
    ・・・ともかく、警察は今のところ問題はない。
    だがこのあいだお前の起した裁判、あれはまずい。

 ヒナ:あの山の売買が不当だから無効にして欲しいって、あれ?
三津川:そうだ。
    もし裁判に負けたら・・いや、現状ではその可能性が大きいんだが、
    我々はあの山を手放すことになる。
    しかし、そうさせるわけにはいかんのだよ。




 ヒナ:あの山が一体何だっていうの?
    あんな山をパパを殺してまで手に入れようとしたのは何でなの?

三津川:最初は合法的に買い取って、俺の名義にしようとしたんだ。
    そのほうがコストもかからんし安全だ。
    余計な厄介を抱え込むから、本当は人など殺さんことに越したことはない。
    だが、高嶋氏はかたくなでね。
    おかげでここまでこじれてしまった。
    まったく迷惑な話だったよ。

 ヒナ:(こいつ、パパを殺しておいて仕事が増えたって文句いってるの?)
    (ヒトの命をなんだと・・・・・)

三津川:だがそれももうじき解決して、我々は大金を手に入れる。
    お前を始末してしまえば、あの山は我々のものだ。

 ヒナ:大金?
    あの山が?




 
     
 
たまき日記 P.1 P.2 →→ P.3 →→ P.4 →→
女雛日記 P.1 →→ P.2 →→ P.3 →→ P.4
  
TOPに戻る 日記本文に戻る