６月２０日（水） 　　　Ｐ．１ ヒナ：あ〜〜、終った終った！ 宮古：よかったな、ヒナ。 　　　和解できて。 ヒナ：うん。 　　　民事だけど、パパが横領したわけじゃないって 　　　認めてもらえてほんとによかった。 　　　・・・退職金も一部返還ですみそうだし、 　　　これで文句いったら贅沢だよね。 宮古：白石センセイもがんばってくれたしな。 　　　そういえばセンセイは？ ヒナ：市と細かい打ち合わせで 　　　夜までかかるって。 宮古：そうかぁ。 　　　センセイも大変だなぁ。 ヒナ：せっかく和解のお祝いパーティーに招待しようと思ってたのになあ。 　　　もし来てくれたら、いっぱいサービスしようとおもってたのに。 宮古：・・・サービス？ ヒナ：冗談だよ。 　　　なに？ちょっとジェラシー感じた？？ 宮古：べつに。 ヒナ：・・・モト君も、いろいろありがとうね。 宮古：何いってんだよ。 　　　オレは何もしてやれなかっただろ。 　　　弁護も調査も護衛も・・・。 　　　礼を言うならオレじゃなくて、白石先生やあの姉妹や、 　　　まだ会った事ないけど、漆木さんとかいう人にいうんだな。 ヒナ：そんなことないって。 　　　モト君だってあたしを助けてくれたよ。 　　　怖いことや辛いことがなんどもあったけど、 　　　「ココロのささえ」っていうのかな・・・・・・ 　　　モト君のことを思うと、 　　　そういうの、乗り越えられた。 宮古：・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ヒナ：なんちってね、 　　　あたしの勝手な思い込みだけど、 　　　でも、・・・・・・ありがとう。 　　　それから、あのときも、 　　　ぎゅって抱きしめてくれて嬉しかった。 　　　あのときの気持ちを思い出すとね、 　　　いつでもあったかい気持ちになれるの。 宮古：ヒナ、 　　　そのことなんだけど・・・・・・ ヒナ：・・・・・・え、なぁに？ ニコ：ヒナちゃんおめでとお〜〜〜 リコ：ああ、いたいた。 　　　ヒナ、一件落着だね。 　　　おめでと。 ヒナ：ふたりともありがとう。 ニコ：あ、一緒にクスリのバイニンがいるねっか。 宮古：売人じゃないっての。 リコ：弁護士さんはお祝いパーティー、来れるって？ ヒナ：無理っぽいらしいよ。 リコ：そうかぁ。 　　　じゃあ、例の漆木さんは？ ヒナ：あの人とは先週から連絡つかなくて・・・・・・ リコ：そうなの？ ヒナ：うん。 　　　今電話してみようか。 リコ：そうしなよ。 　　　あたしらも漆木さんに一度会ってみたいし。 ニコ：（こくこく） ヒナ：ちょっと待ってね。 　　　ピ、ピ、ピ、 　　　（テュルルルル・・・テュルルルル・・・テュルルルル・・・） 　　　・・・やっぱりだめだぁ。 リコ：そりゃ残念。 ヒナ：変なんだなぁ。 　　　いつもはテュルルルル、テュルルルル、って 　　　呼び出し音が２回鳴ったあとでプツ・プツって一旦つながったみたいになって、 　　　そのあとまた呼び出し音が鳴るの。 　　　うるるんが電話に出るのはいつもそのあとだったんだよ。 　　　それが、先週から呼び出し音が途切れたり、 　　　プツプツッっていわなくなったりして、 　　　電話もつながらなくなったんだ。 リコ：・・・・・・ふうん。 　　　そうなんだ。 宮古：え〜と、オレちょっと用事があるから、 　　　ふたりとも、ヒナのことよろしく。 ヒナ：どこ行くの？ 　　　モト君はお祝いパーティーに来てくれるよね？ 宮古：ちょっとそこで待ち合わせしてるんだ。 　　　そこでの話次第じゃあ、 　　　もしかしたらパーティーには行けないかもしれない・・・ 　　　そうなったら電話するよ。 ヒナ：え〜〜！？ 　　　そんなぁ・・・・・。 宮古：それと、ヒナ。 ヒナ：な、なあに？ 宮古：悪いけどこのあいだのことは忘れてくれないかな。 　　　あれはちょっとした勢いで、その・・・ 　　　あんまり真剣に取られると・・・困るんだ。 ヒナ：へっ？ 宮古：じゃあ、な。 ヒナ：ちょ、ちょっと待ってよ！ 　　　ねえ！ ニコ：行っちゃった。 　　　せっかちらねぇ。 　　　これらすけ男は・・・・・・ ヒナ：はぁ〜〜〜〜〜。 　　　　なんだよそれ〜〜〜 リコ：ヒナ、 　　　このあいだの事って？ ヒナ：・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あたしが辛いときに、優しくしてくれたの。 リコ：それを忘れてくれ、と。 　　　ヒナは知ってるの？ 　　　あの宮古ってやつには彼女がいることをさ。 ヒナ：・・・・・・・・・うん。 　　　知ってる。 リコ：ふむ。 　　　じゃあそういうことでしょ。 　　　あいつはヒナの気持ちにこたえてやれないって。 ヒナ：・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ニコ：ヒナちゃんの気持ちって、どういうこと？ リコ：ヒナはあの宮古ってのが好きなんだよ。 ニコ：えっ、そういが？ 　　　ヒナちゃん、ああいーのが、いいが？ 　　　嘘らろ？ リコ：見てりゃわかるじゃん。 　　　おねえちゃん、遠くの事は何でも見えるのに、 　　　そういうことはまるで疎いねぇ。 ニコ：男のことを好きらなんて気持ちは、 　　　オレにはマニアックすぎて理解の範疇を超えてるがぁて。 リコ：う〜ん、マニアックってことになるのか。 　　　とにかくさ、ヒナ、これからのことはともかく、 　　　とりあえず今日はパーーーーッとお祝いを・・・・・・ 　　　あり？ ニコ：ヒナちゃんは？ 　　　ねえ、ヒナちゃんどこいったが？ リコ：いつのまにか居ないねぇ。 ヒナ：冗談じゃないわよ。 　　　忘れてくれったって、そうそう忘れられるものですかっつーの。 　　　ん〜、モト君どこに行ったのかなぁ。 　　　待ち合わせしてて、そこでの話次第じゃ 　　　和解のパーティーに来れないって言ってたけど・・・・・・。 　　　あ、いた。 　　　ちょっと、モトくぅん！ 宮古：なっ、なんだよお前、 　　　ついてくんなよ！ ヒナ：いいじゃんべつに。 　　　ねえ、誰と待ち合わせなの？ 宮古：・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ヒナ：・・・・・・あ、そうか。彼女と待ち合わせしてんじゃん？ 　　　もし今晩デートするなら、あたしのお祝いには来れないってことかな〜。 宮古：あ、ああ、そうだよ。 　　　 ヒナ：うふふ、邪魔しちゃおっかな〜〜。 　　　もしかしたら、あたし達が一緒にいるのを見て、 　　　彼女、誤解して帰っちゃったりして・・・ 　　　いや〜、面白そうだけどまずいかなぁ。 宮古：・・・それは、もうやられたよ。 ヒナ：へ？ 　　　どういう意味？ 宮古：だから、このあいだお前と一緒にホテルに入るところを彼女に見られたんだよ。 　　　おかげで電話に出てもくれなくなっちゃってさ、 　　　友達経由で説得して、どうにか今日あってもらえることのなったんだ。 ヒナ：マジ？ 　　　あたしのせい？ 宮古：ああ、その通りだ！ 　　　・・・と、そう思ってお前を恨めば気も楽なんだろうけどな、 　　　ヒナのせいじゃないよ。 　　　俺の運とタイミングが悪かっただけだ。 　　　気にするな。 ヒナ：知らなかった・・・、あの、 　　　迷惑かけちゃってたね。 宮古：だからいいって。 　　　わかったら、出雲崎さんたちのところに戻ってろ。 ヒナ：うん。 　　　仲直り、できるといいね。 宮古：ん？ 　　　ああ、ありがとう。 ヒナ：ま、でもさ、 　　　もし仲直りできなかったら、この可愛い女雛さんが 　　　モト君のこと拾ってあげるから。 　　　安心していってらっしゃい！ 宮古：バカモノ。 　　　じゃあな。 ヒナ：あはは。 　　　ばいば〜い。 ヒナ：行っちゃった。 　　　・・・ホントは仲直りの邪魔したいくらいだけど、 　　　実際のところ、そこまでやったら逆効果だよなぁ。 　　　ここは一旦引いておこうっと。 　　　さて、リコさんたちのところに戻ろうか。 　　　（ガサッ・・パキッ） 　　　・・・ん？ 　　　誰？ 　　　きゃああっ！！ 　ヒナ：すっ！ 　　　　鈴原さ・・・むぐっむぐっっ 　張山：おら、静かにしろ！ 　　　　あんたは足持って。 　鈴原：わかった。 　ヒナ：んんっ！ 　　　　（ガサガサッ） 　　　　んっ・・・ん〜〜・・・・・ 　　　　（かくっ） 　張山：よし、車に入れろ 　宮古：・・・いま、悲鳴みたいな声が・・・？？ 　宮古：ヒナ！？ 　　　　おい、お前ら、その子になにやってんだ！ 　　　　大丈夫か、ヒナ？ 　張山：ちっ。 　　　　戻ってきやがった。 　鈴原：まずいぞ・・・ 　張山：あんたが飛び出すのが早かったんだ。 　宮古：副園長！？ 　　　　あんた、なんでこんなことを・・・・？ 　張山：鈴原、早く車を出せ！ 　鈴原：わかった。 　宮古：待てッ！この野郎！ 　　（キュキュキュキュキュキュ・・・ブロロロロロロ・・・） 　宮古：待てぇーーー！ 　　　　・・・ちくしょう！ 　　　　ヒナがさらわれちまった。 　　　　・・・そうだ、車で追いかけなきゃ！