P.3 (ジャリジャリジャリ・・・・キッ) リコ:・・・ここなの? お姉ちゃん。 ニコ:うん。 あの建物からヒナちゃんの気配がするテ。 一番奥のあの部屋。 宮古:胡散臭い建物だなぁ。 たまき:廃墟ですねぇ。 なんか気味悪いですねぇ。 ・・・・・・幽霊とか出そう。 ニコ:幽霊なんているわけねえて。 なに非科学的なこと言ってるが。 リコ:お姉ちゃんが言うか? 自分だって十分非科学的じゃん。(笑) ニコ:そんがことないよ〜。 宮古:これからどうする? リコ:・・・お姉ちゃんは警察に電話して、ここのことを教えて。 あたしと宮古は廃墟の近くまで行って様子を探ってくる。 もしヒナの命が危険にさらされていたら、二人で大騒ぎして逃げる。 これは時間稼ぎよ。 連中があたしらを何とかしようとしているうちに警察がくれば、 みんな助かる。 いいね。 宮古:わかった。 ・・・でも、しばらく警察がこなかったら? リコ:そん時は連中の勝ちかもね。 たまき:・・・そんなぁ。 リコ:しょうがないよ。 2〜3人だけで正しいことを行おうとしても限界があるわ。 だから法律と警察というシステムがあるのよ。 最終的には、それをあてにするしかないわね。 ニコ:でもさっきはその警察をブッチして・・・ リコ:最終的にヒナを助けるのが目的でしょ。それが「正しいこと」。 そのためには手段を選ばないわ。 ヒナ救出の邪魔になるなら、法律も少々破る。 でも必要なら警察に頼る、そういうことよ。 現実的でしょ? たまき:(なんか、正しいような、自分勝手なような・・・・) ニコ:ん〜〜? ここ山の中らすけ、携帯のアンテナマーク立たないねっか。 ちょっと向こうまで降りていって 警察に電話する。 リコ:お願いね。 通報したらこの車の中で待ってて。 たまきちゃんもここで待っててね。 ニコ:おっけ〜。 たまき:はい。 リコ:いざとなったら逃げるんだよ。 あたし達は自分の面倒くらい見れるから。 たまき:わたし、逃げ足には自信ありますから。 リコ:期待してるわ。 たまき:宮古さん、気をつけてね。 宮古:ああ、じゃあな。 たまき:みんな行っちゃった。 宮古さんとリコさん、怪我とかしないといいけど。 (チチチチチ・・・チチチチチ・・・・) 鳥の声が聞こえる。 緑のきれいなところだなぁ。 風が吹いてて気持ちいいし。 ・・・誘拐犯を追いかけてきてここにいるなんて、 なんか信じらんない。 それにしても、ニコさん遅いなぁ。 警察に電話するだけにはずなのに、もう10分もたってる。 電波が届かないのかなぁ。 ・・・なにかあったのかなぁ。 ニコ:離せてえ〜〜! 女 :うるさいわね、静かにしなさいよ。 黙ってこっちにくるのよ! ニコ:痛い、痛いてぇ! 女 :尾行されるなんて、 まったくあいつらときたらホントに役立たずなんだから。 たまき:ニコさん!? 女の人につかまってる。 誘拐犯の仲間かな。 ・・・どうしよう。 女 :あんた、仲間はいるの? ニコ:・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 女 :いるのかって聞いてるのよ! ニコ:い、痛いッ。 女 :じゃあ正直に答えな・・・あら? あんなところに見かけない車がとまってるじゃない。 ははぁん、あんたあれで来たのね。 ほかに誰か乗っているのかしら・・・。 ニコ:あっ! だっ、だめ!行っちゃだめらて! 女 :逆らうんじゃないわよっ! ・・・・・・・行っちゃだめって、中に誰か仲間がいるの? どれどれ?・・・ん〜〜〜。 ニコ:あああ・・・ 女 :・・・・・・・・フン・・・・・・ 誰も乗ってないじゃない。 ニコ:・・・え?あれ?? 女 :でも、あんたに仲間がいることは間違いないようね。 そいつらはどこに・・・? そうか、高嶋女雛と三津川たちがいるところに向かったのね。 よし、一緒においで。 あの娘に会わせてあげるわ。 ニコ:あうううう〜〜 たまき:(ごそごそ) ああ〜、怖かった。 シートの隙間に隠れて何とか見つからずにすんだけど、 これからどうしよう。 宮古さん達があの廃墟のほうに行ったのもばれちゃったし・・・・・・ そうだ、宮古さんとリコさんを追いかけて、 ニコさんが捕まっちゃったことを知らせなきゃ。 |
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