2月8日(土)曇り
  ◆ つづき ◆
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瑠璃果:せんぱい、まえ!まえぇ!
たまき:まえって・・・・


熊と遭遇


たまき:ひいいいいいい!
ヒグマ:ゴルルルルルルルル
たまき:でかっ!
    ヒグマじゃん。
瑠璃果:ガクガクブルブルコクコク(←うなづいている)
たまき:・・・コ、コレはやばいでしょ。
    気がつかれる前に逃げよう。
瑠璃果:は、はい。



たまき:あ〜、怖かった。
    なんとか気がつかれずにすんだね。

えりか:うギャーーース!

たまき:えりかちゃんの声だ!
瑠璃果:今あっちに姿がチラッと見えましたよ!

えりか:ひぃぃぃ〜〜〜!
たまき:えりかちゃ〜〜〜ん!どこ〜〜!?
えりか:その声は先輩!?
    助けて〜〜!
    こっち来ちゃだめ〜〜!
たまき:どっちだよ!
瑠璃果:声がしたのは向こうです。
たまき:とにかく行ってみよう。
瑠璃果:・・・は、はいっ!



たまき:えりかちゃん!いた!!
えりか:せんぱあい!

えりか発見

たまき:こんなところでなにしてんのよ。
    あぶないからはやくここから出よう!
    なぜかは知らないけど、動物達が檻から逃げ出しててさぁ。
えりか:え?
    ・・・じゃあ、逃げたのはトラだけじゃないんですか?
たまき:うん、サイとかカバとかバッファローとかが・・・
    ・・・・・・え?いまなんて言った?
    ト、トラ?
えりか:その辺にいるんですよ、逃げ出したトラ。
    さっき見たんです。
    いまもどこかその辺にいます。
瑠璃果:うそ〜ん。
たまき:じゃあじっとしてないで逃げようよ。
えりか:えりか、怖くて足が震えて動くに動けなくて・・・・
    でも、みんなひと塊になっていれば襲われないかな。
    出口はあっちです。
たまき:そっちはだめ。
    大きなクマが陣取っていたもん。
えりか:う゛・・・クマ?
    じゃああっちに・・・・

    (ガサガサッ)
えりか:ビクッ!

 トラ:ガルルルルルルルル・・・・
たまき:トラいたぁ〜〜!
瑠璃果:きゃああああああああ
たまき:瑠璃果ちゃん!えりかちゃんかついでダッシュ!

トラ出現


瑠璃果:はいっ!
   (ガシッ!)
   (シュタタタタタタタタ)
えりか:腕もげるぅぅぅ〜

瑠璃果:追いかけてきますよ!?
えりか:トラって逃げるものを追いかける性質があるんですよぉ〜!
たまき:そうなの?
    じゃあ走るのやめたほうがいいかな・・・
えりか:ぎゃー!だめですー!
    もう遅いですよ!
    こうなったら逃げ切りましょう!

えりか高速連行

たまき:瑠璃果ちゃん、荷物を捨てて!
瑠璃果:荷物?
    ・・・えりかをですか?
えりか:いや〜〜ん!
たまき:じゃなくて、持ってるバッグ!
    走るのに邪魔だし、少しでも軽くしないと!
瑠璃果:そうですね、はい!
    (ポイポイ)
    ・・・ああ、お財布が入ってたんだった。
たまき:命にはかえらんないよ〜。
えりか:トラ、ちょっと引き離せたみたい。

瑠璃果:えりか、トラって木に登れるの?
えりか:普通の木なら無理だと思うけど。
瑠璃果:先輩、あの木のところまで!
たまき:うん。
    あれに登って助けをまとう。

(タタタタタタタタ・・・)
たまき:えりかちゃん、先に登って!
えりか:はい!(しゅるるるるる)
瑠璃果:サルみたい・・・・
えりか:サルではない!
    スパイダー星人ガリアの力を得たえりかは孤独の戦士スパイダーマンとして・・・
たまき:瑠璃果ちゃんも早く登って!
瑠璃果:先輩!トラがすぐそこまできてます!
    早く!
たまき:うん!
    よいしょ、よいしょ・・・
 トラ:ガオウッ!
たまき:きゃあっ!
瑠璃果:まにあったぁ〜〜。

眼下のトラ


瑠璃果:トラ、木の周りを回るばかりでどこにも行きませんね。
    じっとこっち見てるし。
    どうしましょう、ずっとこのままでいるわけにも・・・・
えりか:今夜の「隠密同心対桃太郎侍」が始まるまでに帰れるかなぁ。
    ひさびさに瑳川哲郎の井坂十蔵が見れるらしいのにー。
瑠璃果:・・・だれそれ。
たまき:ここはジャングルの真ん中じゃないんだし、
    すぐに助けが来るって。
    大丈夫だよ。
瑠璃果:そうですよね・・・・・・・
えりか:まめちしき〜。
    トラって、木の周りを回っているとバターになるんだよ。
たまき:ならないよ。
瑠璃果:そうだ、携帯で直接助けを呼びましょう。
    ここの動物園の事務所に電話して・・・
えりか:えりか、動物園のパンフレット持ってるよ。
    電話番号もここにかいてある。
瑠璃果:さんきゅー。
    え〜と・・・、あれ?
    あれ?
えりか:瑠璃果ちゃん、携帯電話は?
瑠璃果:・・・バッグの中だ。
    さっき捨てちゃった!
えりか:え〜?じゃあえりかのバッグも?
たまき:わたしのもだよう。
    しまったぁ〜。
    じゃあ、だれも携帯を持ってないんだ。
    まずいよ。
えりか:もー!
    せっかくトラをカメラで撮って、
    友達に写メール送って自慢しようと思ったのに!
瑠璃果:・・・なんか緊張感ないなぁ。
たまき:ともかく、みんなで大声で助けを呼ぼうよ!
    いくよ?
    せーの、「たすけて〜〜〜〜!」

たまき:
えりか:
瑠璃果:
たすけて〜〜〜!


たまき:
えりか:
瑠璃果:
たすけて〜〜〜!


 紅蘭:ん〜〜?
    いまたしか、あっちからみんなの声が聞こえたけど、
    助けて・・・・って?


 紅蘭:・・・うわ!?
    えらいこっちゃ!
    たまき達、トラに追い詰められてる!
    ええと、どうしよう、
    こういうときってどこに電話したらええの?
    警察?保健所?特自?ムツゴロウ王国?TPC?

緊急の男

緊急班:もしもし、お客さん!
    園内は危険だから退避してくれないと!
    出口はこっちだから、さあ早く!
 紅蘭:ちゃうねん!
    あっ!あんた動物園の人?
    ちょうどええところに来てきれたわ。
    あれ見て、あれ。
    うちの友達がトラに襲われてん!
緊急班:・・・やや、これは大変なことに。
    (ザッ)
    こちら緊急対策班。
    管理事務所、応答せよ。
事務所:はい。こちら管理事務所。
緊急班:B8地区の木の上に逃げ送れたお客を3人発見。
    木の下には脱走した虎がいる。
    麻酔弾の使用許可を願う。
事務所:虎・・・っていうと、オスのトオルですね。
    わかりました。
    ミオブロックを20mg投与してください。
    すぐにそちらに回収班を向かわせます。
緊急班:了解。
    連絡以上。(ザッ) 

 紅蘭:麻酔弾?
緊急班:正確には筋肉弛緩薬のことだ。
    遠距離よりこれで撃ち込む。(ガシャ)

ジェニファー

 紅蘭:おお!狙撃用ライフル、シュタイアーSSGやん!!
    ええなぁ!
緊急班:フッ。
    俺の銃をそんな形式名で呼ぶのはよしてくれ。
    こいつの名前はジェニファー。
 紅蘭:・・・ジェニファー?
緊急班:俺の愛する、この美しいライフルの名前だよ。
    いい名前だろう?
 紅蘭:・・・ま、まあ。
緊急班:さあジェニファー、
     狩りの時間だ・・・・
     (ガシャコッ)
     待っていろ、お嬢さん達。
 紅蘭:・・・な、なんとなく不安やな。


たまき:
えりか:
瑠璃果:
たすけて〜〜〜!

 放送:ピンポンパンポ〜ン
    こちらは動物園管理事務所です。
    木の上に取り残されている3名のお客様。
    トラは直ちに麻酔薬で眠らせます。
    絶対に木の上から動かず、もうしばらくお待ちください。

うろつくトラ

たまき:・・・私たちのこと?
    やったー!助けが来るよ!
    麻酔で眠らせるって。
えりか:助かるんですね!
瑠璃果:よかったぁ。

 トラ:ガルルルルルル・・・

狩りの時間

緊急班:射撃準備完了。
事務所:発砲を許可します。
緊急班:了解。
    ・・・よぉし、いい子だから、あまり動き回るんじゃないぞ。
 紅蘭:もったいぶらんと早よ撃ったりぃな。
緊急班:静かに。

トラを狙うスコープ


緊急班:よぉし、もうちょっと・・・・
    もう・・・・
    フガ、フガ、・・・ヘ、
    ・・・へっぷしっ!
(パン!)
 紅蘭:あっ!?

えりか:そういえばえりか、おなかがすいてきましたよ。
    お昼ごはんまだ食べて(ヒュ〜〜〜〜〜ン・・・プスッ
    
超イテッ!?
    おしりに何か刺さっ・・・うにゃ・・・・・ガク
    (ズル・・・ズル・・・)
たまき:えりかちゃん、どうしたの?
    ちゃんと木に掴まってないと落ちちゃうよ!?
瑠璃果:えりかのお尻に何か刺さってますよ?
えりか:ちからがはいら・・・・にょ〜〜
たまき:うわぁ!えりかちゃんっ!!??
    ・・・ヤバイ(ズルズル)
    落ちる!

えりかホールド中


瑠璃果:ああ〜!えりか!先輩に抱きついて、ずるい!
たまき:そんなこといってる場合じゃ・・・・
    えりかちゃん、体がだらっとしてて・・・なんか重い・・・
    私まで落ちそう・・・
瑠璃果:先輩!?
    この手につかまってください!
たまき:も、もうちょっと手ぇのばし・・・て・・・・
 トラ:ゴルルルルルル

緊急班:いけね、上にいた女の子を撃っちまった。
 紅蘭:あああああ!
    
このドアホ!へたっぴ!
    
ヘタレ!
緊急班:すみません、なにを隠そうボク花粉症なんです。
    (ガシャコ)
    ハイ、こんどこそ・・・・ヘックシッ!

たまき:あ・・・腹筋が限界・・・・もうささえきれない・・・・・
    もうだめっぽ・・・
瑠璃果:わわ、私が飛び降りて囮になります!
    その間に先輩は逃げてください!
    先輩のためでしたら、私・・・・
 トラ:ガルルル・・・ゴルルルルル
瑠璃果:ううううう、
    うわぁ〜〜〜〜んダメ〜!
    やっぱり怖いよー!
たまき:くぅ・・・・・く・・・う・・う〜〜〜〜(ズルズルズル)
    うわあっ!(ドサッ、バキバキ)
瑠璃果:先輩!
たまき:どわっ!
    
(ゴン)
    いたたた・・・後頭部打った・・・

迫りくるトラ


 トラ:ガルルルル・・・(ザッザッザッザッ)

たまき:きゃー!こっち来たぁ!
    しっ、しっ、しっ!あっち行きなさい!
    あ〜ん、えりかちゃん起きてよお!
えりか:むにゅむにゅ・・・
たまき:あうううううう、
    もう、麻酔銃で早く撃ってよ!



 トラ:ガルルルル
たまき:キャーーー!
    あっちいけーーー!ばかーーー!
瑠璃果:先輩!?


 紅蘭:ほれ撃て!当てろ!
緊急班:はい!
    ・・・今だ!
    (パン)


瑠璃果:ううううう〜、さ、させるかぁ!
    トラめ喰らえ!
スーパー瑠璃果キーーーック!
    たあ!(ヒュ〜〜〜〜〜ン・・・プスッ
    ・・・あ、ありぇ?
    (ボテッ)
たまき:瑠璃果ちゃん!?
瑠璃果:え?なんで?
    足が動かなく・・・・立てない・・・です・・・よ?

緊急班:なんだよあの娘、いきなり飛び降りて射線にはいってきて。
    当てちまったじゃねぇか・・・・
 紅蘭:ダァホ!なにしてんねん!
    
このノロマ!カス!変態!
    
次弾装填!射撃用意!
緊急班:はい!(ガシャコッ)
 紅蘭:照準!一撃必殺!
    
てぇーっ!
緊急班:はいっ!
    (カチッ)
    ・・・あれ?
    (カチッ、カチッ)
 紅蘭:なにしてんねん、早よう撃てぇ!
緊急班:た、弾切れですぅ。
    さっき熊の所でけっこう使ったから。
 紅蘭:な・・・・なんやてぇ??


瑠璃果:うにゃああ・・・せんぱぁぃぃぃ・・・
 トラ:ガルルルルルル・・・(くるり)
たまき:食べられちゃう〜、食べられちゃう〜
     ・・・・あれ?

瑠璃果にむかうトラ

 トラ:ゴルルルルルル
    (クンクン)
瑠璃果:ひーーー!?
    わ、わたしのほうに虎が?
たまき:瑠璃果ちゃん!
瑠璃果:ああ・・・先輩が助かったのは嬉しいけど、
    食べられたくにゃい・・・・にゅ〜〜

 紅蘭:うわああああん!
    あんたのせいで瑠璃果が喰われてまうやないか!
    このダァホ!(ゲシ)ボケェ!(ゴスッ)ガンガル!(バキッ)
緊急班:痛いっ。
    ご、ごめんなさぁい・・・

ダウンしている相手への追加攻撃

緊急班:あっ!!
    ちょ、ちょっと待って下さいよ!?
 紅蘭:なんやっ!?
    たまき達を助ける方法でも思いついたんか!?
緊急班:いや、パンチラのサービスカットかと思ったのに、
    よく見たらあなた、白のスパッツなんか履いてるじゃないですか!!
    ぬか喜びさせるなんてひどいですよ!!(笑)

 紅蘭:・・・・・・・ほぉぉ。
    んでおっさん、

    言 い 残 す こ と は そ れ だ け か ?

緊急班:いや・・・、
    いまのうそで
(ズバコッ)あうっ・・・
    すいませ・・・
(ゲシ)痛っ、(ボグ)
    あっ、ごめんなさ
(ゴキッ)・・・・・首のトコ蹴らない(バコッ)・・・で・・・・
    ゴフッ・・


 トラ:ゴルルルルルル
   (クンクン)
瑠璃果:あう・・・、あう・・・、うにゅう。
   (麻酔のせいかな、意識はあるけど口がうまく動かせない・・・・
    私、トラに食べられちゃうんだ・・・・
    先輩・・・早く逃げて・・・・・)

 トラ:ゴルルル・・・(クンクン)
    ンフーッ!
瑠璃果:・・・・?
 トラ:ゴロニャーン♪
    (スリスリ)
瑠璃果:うにゃあ〜?

ゴロニャーンスリスリ

たまき:ゴ、ゴロニャーン!!?(笑)
    なに?
    瑠璃果ちゃんがトラになつかれてる?
    このトラ、本当はおとなしい子なのかな。
    (つんつん)
 トラ:ゴグァアルルルルル!
たまき:きゃー!
    ごめんなさいごめんなさい!
 トラ:フン
    (くるリ)
    ミュ〜ン♪ゴロゴロ♪
    (スリスリ)
瑠璃果:うにゃにゃ〜〜?
たまき:あービックリした。
    いったいなんなんだよう・・・・




    (ヒュン・・・ヒュン・・・)
    (プスップスッ)
 トラ:ガウッ!
    
グルルルル・・・(ヨロヨロ)
    (ドサリ)

たまき:あ、麻酔銃だ。
    今度こそ当たった!

 紅蘭:たまきぃぃぃ!(たったったったったっ)
たまき:あっ、紅蘭?
    こうら〜〜〜〜ん!!
 紅蘭:応援部隊がやっと来たんや〜!
    まにおうてよかったぁ〜〜!



たまき:えりかちゃん、瑠璃果ちゃん、大丈夫?
えりか:まあ、なんとか。
瑠璃果:まだちょっと体が重いです。

大団円・・・か?

たまき:お医者さんが拮抗剤っていうのを打ってくれて、
    すぐに動けるようになってよかったね。
えりか:まったく、トラを撃たずにえりかを撃ってどうするんですかねぇ。
    あれで撃たれたとき、意識はあるのに体が全然動かなくなっちゃって、
    すっごく怖かったですよ。
 紅蘭:不覚やわ。
    あのおっさん、最初はなにも持ってなかったくせに、
    どこからともなくライフルを出した時点で
    「こいつは頼りにならんギャグキャラなんや」と気がつくべきやった・・・
たまき:緊急班の人、さっき泣きながら謝っていったから、
    もう許してあげようね。
 紅蘭:まあ安心しとき。
    あのボケは、あんたらの分もふくめて
    ウチがボッコボコのぐっちゃぐちゃにしといたから。
えりか:・・・・先輩、
    えりかのこと最後まで守ってくれてありがとうございました。
    それに瑠璃果ちゃんなんか、
    えりか達を助けるために、トラにとび蹴りを・・・
瑠璃果:あれは・・・とっさのことだから。
たまき:瑠璃果ちゃん、あの時はありがとうね。
    でもほんと、みんな無事でよかったよ〜。
    今回はもうダメかと思った。
    あのトラが瑠璃果ちゃんを気に入ってたおかげだよね〜。
瑠璃果:でもあれ、いったいなんだったんでしょう。

えりか:あっと!ねえ!
    みんなで貴重品と全財産のはいったバッグを探しに行かないと。
たまき:そうだ!
    行こう行こう。




たまき:バッグあった?
えりか:えりかのはありました。
    お財布も携帯も入ってますよお。
    先輩のと瑠璃果ちゃんのはまだ見つかんないのですか?
 紅蘭:このあたりで投げたんやろ?
たまき:うん。
    おかしいなぁ。
    あ、・・・あったぁ!
    私のバッグもあったよ!
瑠璃果:・・・あとは私のだけですね。
    困ったな。向こう探してきま〜す。

バッグを探せ

たまき:それにしても一体なんで動物達は逃げ出したんだろうね。
 紅蘭:それはまだ調査中やて。
    檻が勝手に、しかもいっせいに開くなんてことないから、
    誰かが故意に動物を逃がしたんやろう、ってことやけどな。
    今警察が来ていろいろ調べているところやわ。
たまき:そうなんだ。


瑠璃果:あったー!
    わたしのバッグ、こんなところにありました!
    ・・・・て、やだぁ!ボロボロ〜!
 紅蘭:ズタボロやん。
たまき:ほんとだ。
    まるで猛獣がツメで引き裂いたみたいだね。
瑠璃果:あ〜あ。
    このバッグ、買ったばっかりだったのにぃ。
えりか:瑠璃果ちゃんかわいそ〜。

ボロボロのバッグ

瑠璃果:中身は大丈夫かな。
    お財布でしょ、携帯、ポーチ・・・
    あっ、・・・お弁当がない!
    先輩に食べてもらう為にせっかく作ったスペシャルお弁当が〜!
えりか:ほら、
    あそこにお弁当箱が落ちてるよ?
瑠璃果:あれだ!
    ああ〜、中身が食べられちゃってる〜。
    動物が食べ散らかしちゃったみたい。
    ひどい〜
えりか:瑠璃果ちゃん、今日はついてないねぇ。
瑠璃果:ほんとだよ〜。
    あ〜〜もうっっ!
    せっかく、先輩のために早起きしてつくったお弁当なのに〜!
    あのキノコ、2万円もしたのにぃ〜!
たまき:にに、にまんえん!?
    なになに?国産マツタケとか?
瑠璃果:いえ、この間見つけたあやしい魔法ショップで買ったキノコです。
    ときめきの魔法がかかってて、
    それを食べた人は私に惚れ・・・・・・
たまき:「ホレ」?
瑠璃果:・・・・・・・・・・・・わっ!・・・きゃっ!
    内緒です!秘密です!
    いや、秘密なんてな〜んにもありません!!
    ただの何の変哲もない、無個性な目立たない普通のおいしいキノコです!
たまき:・・・・・・・・・なにうろたえてるの?
    っていうか、・・・ホレって?

 紅蘭:なあ、瑠璃果のこの弁当を食べたのは、さっきの虎やで。
    ほれ、まわりの足跡と、瑠璃果の背中についてる足跡が一緒や。
瑠璃果:背中?
    そういえばさっき踏まれましたけど・・・・
    って、やだ。背中に足跡ついてるんですか?
    そういうことは早く教えくださいよ。
えりか:ほんとだね。おんなじ足跡。
瑠璃果:・・・・え?
    あのトラが私のお弁当・・・あのキノコを食べていた?
    そうか、それであのトラは私にゴロゴロなついて・・・・
     ・・・ということはあの魔法のキノコ、
     本当に効き目抜群ってこと!?

今度こそ食べて欲しいの♪


瑠璃果:先輩、すみません!
    せっかくお作りしたお弁当ですが、あんなになっちゃって・・・。
    でもまた今度、腕によりをかけて作ってきます!
    特にキノコ料理!
    瑠璃果 ストライクズ バックです!
    リベーンジ オブ ザ 瑠璃果です!
たまき:いいけど・・・「ホレ」ってなんなのよう。
瑠璃果:さ、さ〜て?
    何のことでしょ〜う。



そしてそのころ、瑠璃果がキノコを買ったショップは店をたたみ、
黒衣の店主は人間界から消えていたのであった・・・
   おしまい。

   
 



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