4月8日(金)晴れ 〜 9日(土)晴れ 森田捜査官から許可をいただいて、アップしました。 でももう、事件の顛末は今日(15日)の新聞などでご存知かもしれませんね。 遅くなってごめんなさい。 それでは予告時間の直前、先回の続きからです。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 〜〜〜午前11時 50分 A班:「森田捜査官、聞こえるか?」 森田:聞こえている。どうした。 A班:「とりあえずこの建物だけだが、 非常用電源が立ち上がって、停電から復旧できた。」 森田:そうか。 それでどう思う?・・・今のは奴の仕業だろうか。 A班:「まさか。たぶん奴が仕掛けていた、なんらかの時限装置が作動して、 ここの電源を落としたのではないかな。 奴はその隙に盗むつもりだったが、その前に捕まってしまった、と。 これなら説明がつく・・・ ・・・ん?なんだよ。・・・なにっ? おい、森田!今、奴から電話が入った。 ・・・・・・なんて事だ。」 森田:奴はなんと言っているんだ? A班:「『予告より少し早いが、 停電の隙に、与田家に伝わる幻の宝石「天国の涙」はいただいた。 君たちはイミテーションでも眺めていたまえ』 ・・・だそうだ。すぐに宝石の真偽を確認させる。」 森田:ちょっと待て、それはハッタリかもしれん。 今あるものが本物で、鑑定技師の中に怪盗Xが潜んでいるのかも。 A班:「そうか、鑑定するフリをして、今度こそ偽物にすりかえる気か。」 森田:そうだ倉井、まだ予告時間前だ。気を抜くなよ。 しかし・・・、そうするとお前がさっき拘束した容疑者は何だったんだ? 身体検査を優先した方が良いかも知れんな。 A班:「ああ、そうだな。ありがとう。」 森田:結果が出たら、連絡してくれ。 紅蘭:・・・やっぱり向こうが「本命組」で、うちらが「陽動に引っかかった組」やってんな。 まあ、当然といったら当然の結果やな。 たまき:あ〜、ほっとした・・・って言ったら、ジュディさんに悪いか。 森田:与田ジュディとは、どういう関係なんです? 紅蘭:うちらはジュディはんの大恩人なんやけど、 ちょっとつまらん経緯で、彼女とは距離を置いているんや。 ジュディはんには、別に悪いとこないんやけどな。 たまき:そうだね。・・・もう平気だけど、まだ会うのは怖いかな。 森田:大恩人、ですか?与田ジュディの? レナ:皆さん、・・・向こうで何かあったんですか? たまき:あっ、レナさん。 紅蘭:釈放されたんやな。 レナ:散々調べられて、やっと本物だって分かってもらえたよ。 あの、森田捜査官。もうすぐ予告時間なので、今一度警備を確認してほしいと 菅井捜査官がおっしゃっていましたよ。 森田:そうか。菅井捜査官もまだ気を抜いていないな。 よしわかった。 では、失礼する。 ああ、・・・それとレナさん。 レナ:はい。 森田:さっきはすまなかった。 レナ:いえ、・・・いいんです。 紅蘭:向こうが本命やったみたいや。 電気が消えたり、怪盗Xから電話が掛かってきたり、 もう、てんやわんややで。 レナ:そう。・・・じゃあ、2人であんなに苦労して作った目録も、 無駄になっちゃったね。 紅蘭:そうやな。うちは自分の持ち物を整理できて、助かったけどな。(笑) たまき:レナさん、手錠を掛けられたところ、大丈夫ですか? すりむけてたら、お薬塗りますよ。 レナ:ありがとう寺月さん。 でも、手錠はよほど強く締めたり、引っ張ったりしない限り、 ドラマみたいに赤く擦り剥けたりしないもんよ。 紅蘭:レナはん、あの、・・・メロン。 レナ:え?メロン? 李さんは果物もコレクションしてたっけ? ・・・んなわけないよねぇ。 たまき:レナ・・・さん? 紅蘭:「メロン」は合い言葉やんか。たまきのことを「寺月さん」なんて呼ぶし。 ・・・・・・・・・・・・あんた、ダレ? レナ:ええっ?メロン?・・・・・・ソ、・・・ソーダ?(笑) 紅蘭:そうか〜、それもあったなぁ。 教えてくれておおきにな、怪盗X君。 たまき:レナさんをどうしたの! 怪盗X:・・・・・・あの子ならバスルームに閉じ込めてあるよ。 あともう少しで予告を果せたのに。・・・フッ。バレちゃしょうがない。 お嬢さん達、また今度ねぇ〜〜〜。(ドヒュ〜ン) 紅蘭:あっ、逃げよった。 たまきは風呂場のレナはんを頼む。 たまき:わかったっ。 紅蘭:待てや、こらぁ〜!(ドカーン!) たまき:紅蘭すご〜い。 ・・・あっ、レナさ〜ん! たまき:大丈夫ですか?レナさん。 レナ:ん〜!ん〜! たまき:今、はずします。 レナ:ぷはーっ! たまきちゃん、たまきちゃん!菅井捜査官が怪盗Xだったの! そのあと今度は私に化けて・・・。 たまき:紅蘭が追っています。 レナ:私はこんな格好だし、手錠を掛けられているから・・・。 私のことはいいから、たまきちゃんも早く怪盗Xを追って。 たまき:はい! 森田:・・・どうしたんですかぁ、寺月さん。 あれ?レナさん、そんな格好でなにを? だって今走って外に・・・。 たまき:あれが怪盗Xです。・・・ ああ〜っもう、こっち見ないでください!\(>0<)/ レナ:その前は菅井捜査官に化けていました。 森田:・・・な、なんてことだ。 (ピッ)B班警備隊、今出ていったTPCのオブザーバーを逮捕しろ! 警官:「はっ。しかしここには自分一人しか居りませんが、 ここを離れてよろしいのでしょうか。」 森田:なにぃ、隠密警備の連中はどうした!? 警官:「15分ほど前に、菅井捜査官から、容疑者のTPC職員を逮捕したので 隠密班は撤収するように、と命令が。」 森田:くそっ! たまき:わたし、行きますから。 森田:あっ、私もすぐ行く! (ピッ)おい、A班!倉井! A班:「どうした?今連絡を・・・」 森田:そっちの容疑者はどうしたっ!? A班:「ああ、まず宝石だが、本物だった。盗まれてはいない。 15分前に拘束した容疑者も、変装ではなかった。 間違いなく本物の菅井捜査官だったぞ。そっちはどうだったんだ?」 森田:・・・菅井捜査官!?レナさんじゃないのか? A班:「・・・ああ、そうだが。・・・お、予告時間になったな。」 〜〜〜 4月9日 午前0時 たまき:(バッターン!)あっ、お巡りさん!2人はどっちに行きました? 警官:・・・町の方に走っていきましたが。 たまき:どうも!(タタタタタタ) 紅蘭:ハァ、ハァ、待てやぁ〜! たまき:(タタタタタタ)こうらぁ〜ん! 紅蘭:ハァ、ハァ。たまきぃ・・・あのガキ、逃げ足速くて追いつけへんわ。 たまき:・・・速い?そう? 紅蘭:ハァ、ハァ、そういやあんた、凄いスピードで走ってきたなぁ。 追いつけそうか? たまき:たぶん。・・・でも陸上競技なら相手を追い越せばいいんだけど、 人を捕まえるのって、どうすればいいのさ? 紅蘭:タックルやタックル! ハァ、ハァ・・・転ばせば、すぐにうちも追いついて、2対1や。楽勝〜! たまき:でも・・・そんなの、怖いよ。 紅蘭:あほ!あいつを逃がしたら、今週みたいな辛い1週間を、 また繰り替えさなアカンねんで! ハァ、ハァ、 うちらだけやない、レナはんもジュディはんも、警察も辛かったはずや。 あのガキ一人のせいで。 ・・・だから今、止めなアカンのや。 たまき:平気そうにしてたけど、・・・・・・紅蘭も辛かったの? 紅蘭:え?・・・ま、・・・まあな。 たまき:そうか、そうだよね。・・・今までごめんね。 わたし、やってみるよ。 紅蘭:でも、こないに話してるうちに、もう50メートルくらい離されてんで? ハァ、ハァ、・・・ホンマに追いつけるん? たまき:えっへっへ〜。 じゃあ、すぐに来てね。 紅蘭:おう!まかせとき〜!って、・・・おお〜っ!? たまき:(シュタタタタタタタタ)まぁ〜てぇ〜〜っ! 怪盗X:えっ?うそっ!? たまき:タ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ックル!(ドゴッ) 怪盗X:ぐふぇげっ!?(ボテッ) ・ ・ ・ たまき:いてて〜。あれ? ・・・大丈夫?もし? 怪盗X:・・・・・・・・・。 紅蘭:ハァ、ハァ、ハァ〜・・・追いついた〜。 何や〜こいつ、気絶してるんか。 ・・・まあ、あのスピードで追突されたら無理もないか。 たまき:タックルだよ。 紅蘭:たまき、ケガないか? たまき:うん。うまい具合に、この人がクッションになってくれたから。(笑) 紅蘭:あんた、タックルするときに、こいつの両腕ごと、体に抱き着いたやろ。 たまき:うん。逃げられないようにと思って・・・。 紅蘭:・・・・・・やっぱり。(それでこいつ、モロに顔からコケたんやな(笑)) さて、怪盗Xとやらは、どんな面してんのやろな。 このレナはんの仮面の下には・・・あれ? たまき:どうしたの? 紅蘭:こいつ変装してない。これは素顔や。・・・どういうこっちゃ? たまき:ね、ね、紅蘭。・・・顔が、だんだん変ってく。 紅蘭:ほんまや。レナはんの顔が崩れて、別の顔になっていくわ。 たまき:どうなってんの?こんなことってあり? 紅蘭:「モーフィング」ちうてな、CGで簡単にこんなことが出来るんやで。 AとBの画像を用意しておけば、その間のアニメを自動的に計算して・・・ たまき:そうじゃなくてさ〜。 紅蘭:わかってるがな。目の前のことを受け入れたくない気分や〜。 なんにせよ、こいつがもう逃げられんように、なにかで縛っておこう。 たまき:ベルトでいいかな。 紅蘭:お、ポケットに絶縁テープが入ってたわ♪これでぐるぐる巻きにしたろ。 森田:お〜〜〜い! レナ:たまきちゃん!紅蘭! たまき:こっちで〜す!怪盗Xを捕まえました! 紅蘭:レナはんの仇はとったで! 森田:凄いじゃないか、やったな。 ん?・・・なんだ、気絶してるのか。 レナ:かなりひどい転び方をしたみたいね。 たまき:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 森田:さっき、怪盗Xに騙されて帰ってしまった機動隊を呼び戻した。 もうすぐ、ここに着くだろう。 今度こそ一件落着だ。・・・そうだ、手錠をかけよう。(ガチャリッ) 紅蘭:森田はん、あのなぁ、こいつの変装なんやけど・・・。 森田:ああ、どうやらこれが素顔なんだな。 電話の声では分からなかったが、怪盗Xは女だったのか。 紅蘭:こいつのは変装やのうて、ぎょにゃっと顔が変るんですわ。 森田:ハハハ、まさか。 たまき:本当ですよ。 紅蘭:ほんまやって〜。 ちうても、この目で見たうちかて、信じられへんのやけど。 レナ:森田捜査官。 私をバスルームに入れて、菅井捜査官の変装を解き、 もう一度変装して私になりすますまで、ほんのわずかな時間でした。 ただの変装で、そんなことが可能でしょうか。 森田:菅井捜査官の変装の下に、既にレナさんの変装をしてあったのではないか? レナ:そんな・・・。 怪盗X:ん・・・んん。 たまき:あっ。 紅蘭:気がついたみたいやな。 レナ:私の服、返してよ。(笑) 森田:キサマが怪盗Xを名乗る賊だな。逮捕する! 怪盗X:うう・・・。 森田:寺月さん、李さん、そしてレナさん。 本当にありがとう。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 その後、機動隊の車が現場に着いて、大騒ぎになりました。 結局、怪盗Xの正体はわからずじまいです。 何者なのか、紅蘭の何を狙っていたのか。 今晩起った事は、一体何だったのか・・・。 ジュディさんの家の方も、どうなったのか教えてもらえないまま、 警察の人やレナさんと別れて、紅蘭と家に帰りました。 そして、何から何を守ったのかわからないまま、 2人でささやかな祝杯をあげました。 なんだかすっきりしないけど、とりあえず一件落着です。 それでは、 おやすみなさい! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・・・以上が4月8日の日記の続きです。 そして今日、4月15日。 レナさんが家に来て、いろいろお話してくれました。 それでは引き続き、解決編をお楽しみください。 ・・・寺月たまきでした。 ★4月15日(今日)へ −> |