1:

たまき:よし、右に行ってみよう。
    家も何軒かあるし、こっちだと思ったのかも。
    まっすぐや左方向は、いかにもな〜んにもなさそうだもんね。

    それにしても、まさか日記に分岐があるとは思わなかったでしょう。(笑)
           ・
          ・
          ・
たまき:えりかちゃん、いないなぁ。どこにいるんだろう。
    だんだん日が陰ってきたし、
    いっぺん紅蘭に電話してみよう。




 携帯:ぴ・ぴぴ・ぴ・トゥルルルルルル
 紅蘭:はい、李と寺月です。
たまき:紅蘭、私。その後えりかちゃんから連絡ない?
 紅蘭:・・・たまきか。いや、無いわ。
    一体どこ行ってんのやろな〜。
    今、たまきはどこにおるん?

たまき:郵便局のところ。交差点をこっちに来たのかなぁと思って。

 紅蘭:そうか・・・。
    もうそろそろ暗うなってくるし、警察に連絡することも考えなあかんな。

たまき:また〜、大袈裟な。
 紅蘭:世の中、悪いやつはいっぱいおるんやで。
    若い女の子の行方が知れんのや。
    大袈裟なこと、ないで。


たまき:・・・そんなぁ、なに考えてるんだよ〜、紅蘭。
    急に心配になってきちゃった。
    そのへんは紅蘭に任せるよ。
    私、もっと急いで探すね。

 紅蘭:脅かすつもりはないんや。ただ、・・・な。
    ・・・頑張ってな。

たまき:うん。




たまき:えりかちゃ〜ん!!
    
え〜り〜か〜ちゃ〜〜ん!!
    ・・・いないや。
    交差点を左に行ったのかなぁ。

    なんか、泣きたくなってきちゃった。


 携帯:ピロロロロ・ピロロロロ
たまき:(ピッ)紅蘭!?
    えりかちゃん、どこにいるって?

 紅蘭:たまきか?いや、まだ連絡はないんやけどな、
    ちょっと思ったんやけど、郵便局のほうに行ったんやったら、
    「道に迷うた」ゆうて、すぐにでも電話がありそうなもんなんや。
    でもそれがないって言う事は、そっちのほうには行ってないんとちゃうやろか。

たまき:そうか!
    じゃあ、急いで交差点まで戻るよ。
    ありがとう。


    交差点に戻る

   

 

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