6月17日(月)曇り

たまき:あ〜〜、もう
    宮古さん、早く来ないかなぁ〜。

今日は、新しくできたこのショッピングモールで、彼とお食事デートです。
映画を見たりとか、アミューズメントなところでのデートとかもいいですけど、
わたしはお食事デートや、ドライブデートが好きです。
だって、やっぱり好きな人の顔を見ながらお話したりした方が楽しいし、
そうして、2人一緒にいるって感じられる時間って、
とっても私にエネルギーをくれるっていうか、
・・・幸せ〜って気持ちになれるんですよねえ。


たまき、まちあわせ

たまき:まだかなぁ。(そわそわ)


えりか:あ〜、先輩だ。
    瑠璃果ちゃん、見てほら〜、
    あんなところに寺月先輩がいるよ。
    なにしてんのかなぁ。
    誰かと待ち合わせかなぁ・・・。
瑠璃果:てってっ、寺月先輩?
    陸上部の?
    うそ!?
    ・・・あ、・・・・・・ほんとだぁ。

えりか&瑠璃果(新キャラ)

えりか:えりかは先輩とはたまに会ってるんだけど、
    瑠璃果ちゃんは先輩に会うの久しぶりなんじゃない?
瑠璃果:うん、先輩が卒業して以来、
    わたし一度も会ってないよ・・・
えりか:そうなんだ。
    それじゃあ、ちょっと挨拶してこようよ。
    おいで。
瑠璃果:えっ!?
    えりか、ちょ、ちょっと待っ・・・・
えりか:せんぱ〜〜〜い。
    ねえ、ねえ、
    こんなところで何してるんですかぁ?
    ・・・・・・あれ、無反応???

約束した時間はもう10分ほど過ぎてるんだけど、
宮古さん、まだこないなぁ。
どうしたんだろう。
早く会いたいのにな・・・
えりか:せんぱい?(ぽんぽん)

ぽんぽん

たまき:ああん、もぉ〜〜!
    
宮古さん、来るの遅いよぉ〜♪
    (くるっ)
    ・・・あれ?
えりか:はぁっ!?
    あわわわわわわわっっっ



たまき:え、え、えりかちゃん?
    ぃやだ〜、彼氏かと思っちゃったよ・・・。
えりか:かっ・・・・
    軽い気持ちで肩を叩いただけなのに、
    予想外の熱烈な反応を目の当たりにして
    ただ何も出来ずに佇むエリカなのでした・・・
たまき:そんなに驚くこと無いでしょ。
えりか:だってえりか、先輩に困り眉と潤んだ瞳でみつめられた上に、
    かわいく拗ねた感じの甘えん坊ヴォイス(笑)の直撃をうけたもので、
    なんていうか、
    今ちょっと・・・胸がキュンとしちゃいましたよ。(笑)
たまき:私、そんな顔してた?
    うう、見られたくないところを・・・
えりか:「ああん、もぉ〜〜、
     宮古さん来るの遅いよぉ〜、ウルウル〜。」
 
たまき:モノマネするな〜っ!
えりか:・・・ってことは、
    ああ、ここであの彼氏さんと待ち合わせですか?
たまき:うん、まあね。
    ところでさぁ。
    ・・・さっきから気になってるんだけど、
    えりかちゃんの後ろに隠れてる子、どなた?
    お友達?

えりか:え?隠れて?
    あれ、瑠璃果ちゃん、・・・キミなに隠れてるの?
瑠璃果:ああ、あの・・・ちょっとね・・・・。
    ・・・・・寺月先輩、失礼しました。
    ええと、どうもお久しぶりです。

悠夜 瑠璃果

たまき:ああ、どうも。
    で、お久しぶりって・・・?
    ・・・あ〜〜〜〜、あ?
    ん〜〜〜〜と、
    ごめん、私と学校で会ってた?
瑠璃果:・・・・・そ、
    そうなんですけど・・・・。
えりか:せんぱ〜い、覚えてないんですかぁ?
    悠夜 瑠璃果(ゆうや るりか)ちゃんです。
    先輩のいた陸上部のかわいい後輩ですよ。
たまき:・・・陸上部の?
えりか:そう、瑠璃果ちゃんはえりかと一緒に先輩のしごきに耐えたひとりですよ。
たまき:えりかちゃんは、耐えないですぐに脱落したじゃん。
えりか:話をそらさないでください!
    本当に覚えてないんですか?
たまき:う〜ん。
    ええと〜〜〜・・・・・・・

    よく一緒にカラオケに行った子だっけ・・・?
    だよね!
瑠璃果:いえ、・・・行ってないです。
    人前で歌うのって、苦手で・・・・
たまき:あ、
    そうでしたか。
瑠璃果:・・・・・・・・・・・
たまき:私が覚えていそうなことって、なにかないかなぁ。
瑠璃果:あ、はい。
    あの、先輩と同じ図書委員で、
    一緒に図書館の本の整理をしたことも・・・・・
たまき:・・・あった?
    う〜〜〜ん・・・・
    たしかにわたし、3年のとき図書委員やってたけど・・・・
瑠璃果:覚えてないんですね。
たまき:・・・う、うん。

いいんです(よくないけど)

瑠璃果:あの、いいんです。(ふりふり)
    わたし目立たないから印象薄くて・・・
たまき:そんなぁ・・・
えりか:瑠璃果ちゃん!
    キミ、そーゆー考え方は良くないよ?
たまき:そ、そうだよ。
    えりかちゃんの言うとおりだよ。
えりか:つーか、悪いのは忘れっぽい先輩なんですよ。
たまき:わたしかよ。(笑)
    ・・・いや、そうなんだけどさぁ。
瑠璃果:先輩は悪くないですっ!
たまき:・・・・・・・・・・・・・・・
えりか:・・・・・・・・・・・・・・・
瑠璃果:・・・・・・・・・あ、すみません。(こそこそっ)
えりか:だから、なぜえりかの後ろに隠れるかな〜。
たまき:うーん、思い出せないなぁ。


瑠璃果:そうだ、体育祭のときに一緒に撮らせていただいた写真があります。
    ええと、これです。
たまき:どれどれ。
    ・・・ああ、ホントだ。
    私と一緒に写ってるねぇ。恥ずかしそうに。
えりか:先輩、なにげに写真を撮られ慣れてますよね。
たまき:何かと機会が多かったからねぇ・・・。

おもいでのよすが

瑠璃果:これは、先輩がアンカーを走られて優勝したリレーが終わったあとで、
    みんなでお願いして撮らせていただいた写真なんです。
えりか:そういえば先輩は体育祭のあいだじゅう、
    下級生の子達に追いまわされてましたよね〜。(笑)
たまき:リレーの後っていうと
    「一緒に写真撮らせてくださーいっ!」って、
    なんか団体で来たときのだ。
    そうか、あの中にいたんだね。
瑠璃果:はい♪
    あ、もしかして思い出していただけました?
たまき:ん・・・そういうことがあったなぁ〜ってことは思い出したけど、
    一人一人までは・・・
瑠璃果:・・・そうですか。
    そうですよね・・・。
たまき:メガネしてないけど?
瑠璃果:このころはまだ視力が・・・、
    あ、そうか。
    もしかしたらメガネをはずした顔なら見覚えがあるかもしれませんね。
    (すちゃっ)
    ・・・どうでしょうか。(キラキラ)
たまき:ええと・・・その・・・ごめんね。
    やっぱりわかんにゃい。
瑠璃果:・・・う。
    ・・・いいんです。
えりか:ねえねえ瑠璃果ちゃん、それはそーと、
    なんで自分と先輩とのツーショットの写真を、
    定期入れなんかに入れて持ち歩いてるの?
瑠璃果:えっ!?
    ああっ!?そ、それは・・・
えりか:なんで?
瑠璃果:そ、それは・・・その・・・(こそこそ)
えりか:だぁ〜かぁ〜らぁ〜、なんで隠れますか。
瑠璃果:・・・・・・・だってぇ〜。

たまき:ところで今日は二人してどうしたの?
えりか:今、映画を見てきたところなんですよ。
    ここって上に映画館が入ってるじゃないですか。
    だからね、二人で。
瑠璃果:・・・うん。
たまき:ふうん。
    なにを見てきたの?
瑠璃果:はいっ、あの「スパイダーマン」です。
    アクションとかすごくて、
    あの、とても面白かったであります。
たまき:「あります」・・・って。
えりか:こんな感じでスルスルと壁に登っちゃうのです。



えりか:たあ〜〜っ!(はしっ)
たまき:こらー!ほんとに登るなぁ!
えりか:そして敵が巨大化してピンチになったときにスパイダーマンは言うのです。
    「マーベラー、チェーンジ、レオパルドン!
    巨大ロボットレオパルドン、かっくいかったですよ〜。    
瑠璃果:え?マーベラー?
    ・・・・・・ロボット?
    ちょっと待って、えりか。
    そんなの出てきてないよ。
えりか:出てきたよお。
    瑠璃果ちゃんたら、
    またナニ寝ぼけたことおっしゃいますことやら。
    はっはっは。
瑠璃果:出てきてないもん。
    だってそんなの、
    プログラムにも載ってないし。
    ほら。
えりか:どぉれ。
    ふむ(パラパラ)
    ふむふむ(パラパラ)
    ぉうわぁ〜、なにこれ〜〜〜。
    この映画、オモシロそ〜♪
    えりかの見てないシーンが目白押しだよ!
たまき:もしもし?
    今見てきたんじゃないの?
瑠璃果:夢でも見てたんじゃないの?
    えりか、もしかして上映中に寝てた?
えりか:ギャワーーー!
    そうみたい!
    じゃあマーベラーは夢?
    1300円(前売り料金@高校生)も払ってスヤスヤ寝てしまいましたよ。
    せっかく面白い映画を見たと思ってたのに、とんだ夢オチじゃないですか。
    ガッデェム!
瑠璃果:も〜、
    せっかくこれから映画のことを語り合おうと思ってたのに、
    見てないんじゃあしょうがないよ。
えりか:じゃあ、かわりにえりかが見たスパイダーマンのお話を教えてあげるよ。
    スパイダー星人ガリアから力を授かった山城拓也が
    孤独のヒーロースパイダーマンとなって巨大ロボットレオパルドンと共に、
    鉄十字団ていう悪の宇宙人と戦うのでした。
    戦え、スパイダーマン!侵略者から地球を守れー!
瑠璃果:そんなの教えてもらっても・・・・・・。
たまき:スパイダーマンって日本人なんだ。
えりか:先輩は?
    先輩もカレシと一緒に何か映画を見に行くんですか?
たまき:ううん、映画じゃないよ。
    お食事して、お話して、まぁそれでおしまいかな。
    車でどこかに行くかもしれないけど〜。
えりか:いいなぁ。
    デートでお食事って、やっぱ豪華デイナーでしょ?
たまき:へ?
    そンなわけないじゃん、
    普通、普通。
えりか:え〜、大人のデートって、
    なんか高層ビルのてっぺんにある夜景の綺麗なレストランで、
    フランス語のメニューを見て”なんとかマーニュ”って
    何万円もするワインを注文したり、
    真面目な顔で「キミの前ではこの100万ドルの夜景も色あせる」とか
    芝居がかった歯の浮くようなことをいってみたり、
    そういうイメージあるけどなぁ。
たまき:・・・それ、ベタなドラマの見すぎだよ〜。


 宮古:悪い悪い、遅くなって。



えりか:うわ、噂をすれば。
たまき:あっ、宮古さぁん。
    遅いよう。
えりか:ねー先輩、さっきの甘えん坊顔は〜?
たまき:もうしないよ。
    宮古さん、えりかちゃんだけど覚えてる?
 宮古:ああ、前にうちの水族園に、体験ツアーのテストのときにきてくれたよね。
えりか:どうも。
たまき:それからこの子が・・・
瑠璃果:・・・・・ねえ、もう行こうよ。えりか。
えりか:そうだねえ。
    ジャッ!先輩、今日はこれで。
    思うさまデートを楽しまれてください。
瑠璃果:失礼します。
たまき:ばいば〜い。

さよならは別れの言葉じゃなくて

えりか:さて、えりか達はどうしようか。
瑠璃果:ちょとこっちに来て。(ぐいぐい)
えりか:え?どこにいくのん?


たまき:あの子達と偶然ここで会ってさ。
    おかげで待ってる間退屈しなかったけど。
    さて、今日は何しようか。
 宮古:・・・謝ってばかりで悪いんだけど、ごめん、
    あと30分したら、また仕事に戻らないといけないんだ。
たまき:ええ〜?さ、30分?
    そうなの?
    せっかくのデートなのに〜。
 宮古:ごめんな。
たまき:仕事、忙しいんだね。
    ・・・いいよ。宮古さんが悪いんじゃないし。
    それに、忙しいのにそんなちょっとの休み時間に
    私に会いに来てくれたってことだもん。嬉しいよ。
宮古:そう言ってくれると助かるよ。
たまき:行こう、上手に使えば30分だって長いよ。
    食事は無理でも、コーヒーくらいなら。
 宮古:ああ。


コーヒー屋さん

たまき:オーダーしてきたよ。
 宮古:ありがとう。
    でさ、隣の市の水族館、リニューアルしたんだよ。
    県外からわざわざ来るお客がたくさんいるって。
たまき:わたしも聞いたよ。
    新名所ってやつ?
    観光バスもとまるんだってね。
 宮古:イルカやアシカのショーをメインにして、
    観光客受けしそうな施設になったらしいから、
    水族館というよりも、もう一種のテーマパークだな。
    うちは分が悪いよ。
たまき:でも宮古さんのところにお客さんが入らなければ、
    宮古さんの仕事は暇になるんじゃないの?
 宮古:いやいや、俺らの仕事はお客の相手もあるけど、
    そのほとんどは生き物の世話だから、
    お客が入ろうがどうしようが、仕事は減らないんだよ。
たまき:そっかぁ。
 店員:コーヒーおもちしました。
たまき:どうもすみません、
    これ彼、こっちわたし。
 店員:かしこまりました。

 宮古:・・・と、
    うちにお客が入ってないってことをふまえたうえで、
    実はなかなかすごいニュースがあるんだ。
たまき:にゅーす?
 宮古:うん。
    俺の勤める市営水族園は閉鎖されることになった。
たまき:・・・・・・へ?
    ヘ、ヘ、閉鎖!?
 宮古:そう、閉鎖。
たまき:じゃあ宮古さん、クビ?
    車のローンどうするの?
 宮古:まあ、落ち着いて。
    クビになんかならないって。
    数年後、今の市営水族園から1kmほど離れた場所に
    県立の水族館がオープンする。
    で市営水族園の職員はそのままそこに勤めることになるんだ。
たまき:新しい県立の水族館に?
 宮古:ああ。水族園の生き物達と一緒にね。
たまき:なんだぁ、よかった。
    でもすごいじゃん。
    新しい水族館って、どんなところになるの?
 宮古:今の水族園の5倍の規模で、
    こんどはアザラシやイルカの飼育もするから、
    そいつらのプール、それに流行の大型水槽も作られる。
    ペンギン達も大きなところに引っ越しするんだ。
    それに建物の設計にあたっては、俺ら職員の意見も聞いてくれるそうだ。
たまき:すごいねえ。
 宮古:ああ、ほんとにな。
    子供のころから慣れ親しんできたあの水族園がなくなるのは
    残念だし寂しいけどさ。
たまき:そうか、宮古さんは子供のころ、遠足であの水族園に遠足で行って、
    そのときから「将来はここで働きたい」って決めて、
    努力して夢をかなえたんだもんね。
 宮古:でも、あの古くなった水族園に来た子供が、俺のように
    「ここで働きたい」って思うかっていうと、
    ・・・もうそんなことはないんじゃないかな。
    昔と違って、今の子供はいろんな物を見て育ってるから、
    あの水族園じゃあ、もう驚いたり感動したりはしないんじゃないかなって思うんだ。
    だから、そういう子供たちだってワクワクしたりドキドキしたり、
    海に興味を持ったり、水中の不思議な生き物を好きになったりするような、
    そんな水族館が必要だと思うんだよ。
    それで具体的にどうしたいか、いま現場連中で意見をまとめてるところなんだ。
たまき:私、そういう話してるときの宮古さんの目って大好きだよう。
 宮古:なっ、・・・なんだよ。
    真面目な話をしてるってのに。
たまき:えへへ、ごめんごめん。
    からかってるわけじゃないよ。
    みんな、素敵な水族館をつくろうてがんばってるんだよね。
    ・・・でも、それじゃあしばらくは忙しいわけだ。
 宮古:そうだな。
たまき:・・・・・・・・・・・・・・・そっか。(ほーー)
 宮古:・・・・・・・・・・・・・・・・・・
たまき:・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 宮古:・・・・・・・・そんな顔するなよ。
たまき:・・・もっといっぱい会って、もっと一緒にいたいよ。
    でも、ま、しばらくは見守りモードでいてあげる。
    さ、ほら、コーヒー冷めちゃうよ。
 宮古:あ・・・・ああ。

珍しい宮古のアップ

 宮古:その、新しい水族館では、今まで日本国内で飼育したことのない種類の
    ペンギンの飼育もするんだ。
    ハネジロペンギンっていうんだけど。
たまき:ハネジロー?
 宮古:ハ・ネ・ジ・ロ。
    ニュージーランドにいる絶滅危惧種のペンギンなんだ。
    まあ、極地に住んでないペンギンはほとんどが絶滅危急種か危惧種だけど。
たまき:・・・絶滅って、人間の乱獲とか?
 宮古:いや、昔ならともかく、いまは人間による環境の悪化が大きな原因だな。
    漁の網にかかったり、人が持ち込んだ動物に襲われたりとかな。
    それに鯨の餌とペンギンの餌は同じ事が多いから、
    水産省が言ってるとおりに鯨の数が増えてるって話が本当なら
    鯨に餌を食い尽して、それでペンギンの数が減っている可能性もあるな。
    鯨一頭でペンギン数万羽分の餌を食っちまうからさ。
たまき:そうなんだ。
 宮古:そういうわけで、今度出張でそのハネジロペンギンのいるニュージーランドに
    ちょっと行ってくるんだ。
たまき:へえ、いいなぁ〜〜。
    出張ってことは、飛行機代とか宿泊費とか全部出るんでしょ?
    いいなぁ〜〜、ウラヤマシー。
 宮古:遊びで行くわけじゃないんだぞ。
たまき:それでもうらやましいよ。
    ロードオブザリングのロケしたトコでしょ。
    すっごく綺麗なところじゃない。
    で、いつ行くの?
 宮古:まだ決まってないよ。
たまき:そうなんだ。
    ね、お土産買ってきてね。
    かわいいやつ。
 宮古:あ、・・・ああ。わかったよ。
たまき:心配しなくても餞別はお渡しいたしますから〜。
         ・
         ・
たまき:あっ、もうこんな時間だ。
    上手に使っても30分は30分だね・・・
    宮古さん、そろそろ行かないと。
 宮古:家まで送っていかなくてもいいか?
たまき:時間ないでしょう。
    うん、帰れるから大丈夫。
    あ、でも車のところまで一緒に行くよ。
 宮古:じゃあ俺、会計してくるから。
たまき:ワリカンでいいよう?
 宮古:約束の時間に遅れて待たせた上に先に帰ろうってんだから、
    今日は俺に出させてくれよ。
たまき:・・・そう。
    うん、じゃあ、ご馳走様でしたっ。(ペコ)
    先に行ってるね。
 宮古:ああ。


たまき:ちょっと雨が降ったからかな、夜になると寒いね。
 宮古:梅雨が終われば、また暑い夏がやってくるな。
    たまちゃんは暑いのが好きなんだっけ。

ロケ地:晴海トリトン

たまき:私は夏が好きだからね。
    「ナツ」って言葉を思い浮かべるだけで、
    熱い太陽の下できっと楽しいことが起こるよっていう予感がして、
    ワクワクしてきちゃうくらい好き!
    ねえ、去年の夏はあの高嶋さんのことでゴタゴタしてて
    結局どこにも行かなかったけど、
    今年こそはどこかに一緒に行こうね。
 宮古:ああ、・・・そうだな。
たまき:ニュージーランドについて行こうかな〜。
 宮古:・・・行くか?一緒に。
たまき:へ?
    ぃやだなぁ、なに真面目な顔していってんのよ。
    冗談に決まってるじゃん。
    お仕事しに行くんだもんね。
 宮古:そうだな。
    それに、せっかく行ってもむこうは冬だしな。
たまき:っそうか!
    南半球だもんね。
    赤道をはさんで日本と反対側だもんね。
 宮古:遠いよなぁ。
    でも時差はほとんどないから、いつでも電話で話ならできるし、
    そういう意味では近いかもな。
たまき:なるほど、そうだね。

 宮古:じゃあたまちゃん、
     ここで。
たまき:うん。
    じゃあお仕事がんばって。
    運転、気をつけてね。
    ・・・え?
    ・・・なぁに?
 宮古:ちょっとだけ。
たまき:・・・え?? 

ムニュムニュ

たまき:っふゅム??
    ん・・・ん・・・ん・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・
っはぁぁ〜。
    とっ、突然なんだよう〜。
    こんなところで、人が見てたらどうすんのさ。
 宮古:誰も見てないよ。
たまき:んもぉ。
    いつもは自分が嫌がるくせに・・・
    今日の宮古さんちょっと変だよぅ?
 宮古:そんなことないって。
    おやすみ、たまちゃん。
たまき:うん、バイバイ。


たまき:ああ、びっくりした。
    ・・・なんだかなぁ。
    さて、さっき見た輸入食料品のお店で変な紅茶でも買って、
    私も帰ろうかな。
えりか:わッ、こっちに来たよ。
    瑠璃果ちゃん、早く逃げよう!
瑠璃果:あうううう〜 
たまき:ん?
    あの声は・・・・
あっ!
えりか:ギャー、見つかった!
瑠璃果:あうううう〜

なにしてんの?

たまき:えりかちゃんたち、
    あんなところに二人で隠れて、なにを・・・・??
    ・・・あっ!
こらぁ!!
    さては人のデートをこっそりノゾいてたな!
えりか:ち、違いますよぉ、ちょっと偶然にここを通りかかって・・・
たまき:ウソつけっ!
えりか:はいっ、ウソですぅ!
瑠璃果:あうううう〜
たまき:んもう、悪趣味にもほどがあるよ!
    んで、・・・や、やっぱり見たの?
    いまのその、私と宮古さんが・・・その・・・キス
えりか:・・・見たって言っても怒りませんか?
たまき:やっぱり見たね!
えりか:うわぁ、ばれたぁ!
瑠璃果:あうううう〜
たまき:もお、恥ずかしいなぁ。
    あんなトコで宮古さんがいきなりするから・・・
    ・・・ところでさっきからこの子、
    なんで「
あううう」しか言わないの?
瑠璃果:あうううう〜
えりか:いまさっき、先輩が彼氏さんとキスするのを見た瞬間から
    「
あううう」なんですよ。
たまき:なんだそれ。
    ねえ、キミ大丈夫?(ゆさゆさ)
瑠璃果:あううぅぅ・・・ぅあっ、
    せ、せんぱい・・・・
たまき:どうかしたの?
瑠璃果:あ、
    あ、
    あ・・・・・
    うわああああああぁぁぁん!(シュタタタタタタタ・・・)

脱兎

たまき:あれ?
えりか:泣きながら走って行っちゃったですよ。
たまき:あのコ、走るの速いねぇ!
    すごいすごい。
えりか:まあ中距離で春の県大会3位ですから、
    ってそんなこと感心してる場合じゃないですよ。
たまき:そうだね、走って行っちゃった理由はよくわかないけど、
    とにかくあの子を探さないと。
    えりかちゃん、あの子の携帯の番号わかるでしょ?
    あの子・・・・あれ?
えりか:どうしました?
たまき:あの子の名前・・・なんだっけ?
えりか:さっき紹介したばかりじゃないですか!
    つーか、昔から知ってるはずでしょ!?
たまき:・・・わすれちゃった。
えりか:もー、
    ”ゆうや るりか”ちゃんです。
たまき:ふぅん、ゆうやりゅりか・・・
えりか:プフ、・・・言えないんでやんの。(笑)
たまき:いえるよぉ。
    ゆうやるりきゃ・・・
    コホン
    ゆ・う・や・る・り・か・ちゃ・ん。
    でしょ。
えりか:そうですよ。
     ンで、彼女は実は、
     携帯を持ってない、いまどき珍しい女子高生なんですよ。
たまき:あらまあ。
えりか:でもホント、どうしたんでしょうねぇ。
たまき:もしかしたら・・・
えりか:心当たりでもあるんですか?
たまき:瑠璃果ちゃん、宮古さんに惚れちゃったんじゃないかな!
    それで、私と彼がキスするのを見てショックを受けて・・・
    きっとそうだよ。
    しょうがないかなぁ、宮古さんカッコイイから。
えりか:・・・・・・・・・・・・・・・・・・え・・・ええと・・・
    あの、それ、ツッコむところですか?(笑)
たまき:え?何が?
えりか:(ハッ!この目はマジだ!)
    いや、ドウデショウー、
    先輩の彼氏さんは瑠璃果ちゃんの趣味じゃないような気がしますけど。
     
たまき:そうかぁ。
    ならちょっと安心した。
えりか:・・・あばたもえくぼ、か〜。
たまき:なにが?
えりか:なんでもないれす。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
30分ほど2人で店内を探したころに、瑠璃果ちゃんが公衆電話から
えりかちゃんの携帯に電話してきて、「もう家に帰る」ということでした。
なんだかなぁ。難しいお年頃なんでしょうか・・・。
そういえば宮古さんもなんか変だったし。
湿気に弱いのかなぁ。(あらへんあらへん)

それじゃあ、おやすみなさい


   
 



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