1月13日(土)晴れのち曇り
今日は宮古さんとデートで、新しくできたアウトレット物の ショッピングセンターに行きました。 っていうか、行くところだったんですけど、 途中で・・・・・・
あうーー。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
たまき:まったくもー! っだいまーっ! 紅蘭:・・・お帰り。 なんや、もう帰ってきたん。 早かったなぁ。
たまき:早くて悪かったね! 紅蘭:なっ? なにがあったんや。 宮古はんとデートやったんちゃうん? この服変じゃない?とか髪型変じゃない?とか、 お決まりの質問して出てったやん。 てっきり帰りは夜になると思ってたで。 たまき:それがさぁ聞いてよ〜、あのね、 ・・・・・・いや、その前に。 紅蘭:ん? たまき:今さっき、紅蘭に当り散らしそうになってたことを謝る。 ごめんなさい。 紅蘭:あ〜、はいはい。 そんで? たまき:話したっけ。 今日は、この間できたアウトレットもののショッピングセンターに 二人で行ったの。
宮古:アウトレットってさ、なんだかんだいって服とかしかないんだろ? たまき:そんなことないよ。いろいろあるよ。 あとはねぇ、靴でしょ〜ブランドのバッグでしょ〜。 え〜、え〜、それから・・・手袋とか・・・帽子とか・・・。 宮古:イロイロってほどはないじゃん。 じゃあまぁ、靴でも見るかな。 たまき:え〜、宮古さんも服買おうよ。 安いんだよ。 けんやくになるよ。 宮古:だいたい足りてるからいいよ。 冬物なんかほとんど着ることないから。 夏物はいくらあってもいいけどさ。 たまき:ちょっとまって。(ゴソゴソ) ほらチラシ。 これなんか3万円が5800円だよ。 宮古:わざわざチラシなんか持ってきたのか? たまき:これは2万円のが3800円だって。 このGショック、限定品なのに超割引だよ。 宮古:Gショックの限定品なんて毎月何種類も出てるよ。 俺のはいいから、自分のを見れば? たまき:なんだよ、せっかく見繕ってあげようと思ってたのに。 いいもん。 私はねぇ、何買おうかなぁ。 安いからいっぱい買えるよ。 宮古:いつも買っている分を安く買うんじゃないんだ。 安く買える分、いつもよりいっぱい買うんだ。 たまき:そうだけど。 宮古:それじゃあ倹約にならないのでは。 たまき:ん? ・・・・・・ん〜、でも将来的には、 安いときにいっぱい買っておけば、あとで買う分が少なくなるしさ。 宮古:あそこはずっと安いんだろ? 今あわてて買わなくてもいいのでは。 たまき:そうだけど〜・・・・・・ん〜、 けんやくは〜〜、 まあ言葉のアヤだよ。 宮古:アヤかよ。 たまき:いいじゃんもう。お買い物がしたいの。 安いと嬉しいじゃない。 宮古:そうなんだよな〜。 お嬢さん達はお買い物もレジャーのひとつなんだよな〜。 たまき:宮古さん、将来はデパートの階段のところで奥さんを待ってる おじさんになるの決定だね。 宮古:決定ですね。 おじさん達同士で世間話してな。 「どこも不況ですな〜」とか言って。 たまき:あははは。 そこに荷物を抱えた奥さんが子供づれで戻ってくるの。 「あなたお待たせ。帰りましょう」って〜。 宮古:知り合ったおじさんとはまた翌週会ったりしてな。 「またお会いしましたね」 たまき:・・・おじさんはいいから。 宮古:・・・・・・? たまき:(私とこういうシチュエーションの話をしてるのに、 何にも反応ないって・・・ 鈍いのかな〜 それともうまいこと躱されてるのかな〜) 宮古:ダイビング用品とかもあればいいのになぁ。 あ〜、アウトレットって傷物なんだっけ。 命預けるもんだから、ちゃんとしたところで買ったほうがいいか。 たまき:ふぅ〜。#タメイキ# 宮古:どうした? たまき:べつに。 3点セット(マスク・フィン・シュノーケル)くらいなら 少々傷物でも大丈夫じゃない? レギュ(エアを吸うのに咥えるところ・意外と精密)とかは不安だけど。 宮古:そういう重要なところに限って高いからなぁ。 いや・・・・・・重要だから高いのか。 ダイブコンピュータとかもそうだな。
たまき:ねー、今年の夏は二人で潜りに行こうね。 お休みとってさ。 去年は結局いけなかったもん。 宮古:そうだな、オレもたまには水槽よりも広いところで、 コケとり掃除以外の事をしたいよ。 たまき:海に潜っても、ついコケとり始めちゃったりして。 宮古:しませんって。 岩海苔はいでるアマさんじゃないんだから。 たまき:行こうね。約束だよ。 二人で一緒に潜ろう。 宮古:わかったよ。 たまき:水族館で声をかけてくれたときに言ってたよね、 秘密のポイントがあるって。 そこ、行ってみたいな。 宮古:ああ〜、あのときの俺は忘れて。 あのときはもう、なんかきっかけつかまなくちゃって必死で、 それでナンパなキャラになってたんだよ。 たまき:(あの時と普段とそんなに違わないような気がするけど・・・ まあ、そういうことにしておきましょうか。) 宮古:あのポイントには1年以上行ってないから、 今どうなってるかな。大物がよく通るんだ。 たまき:どんなところなの? 深いところ? 宮古:それほどじゃないよ。 流れがちょっとあるけど。 たまき:宮古さんのそれほど深くないってどれくらい? わたし、10mくらいしか潜ったことないの。 置いていかれないかな。 宮古:なんでだよ。 俺だってそんなに深いところには行かないしよ。 たまき:だって宮古さん、いっきにファンダイビング限界の30mまで 潜ったりするでしょ〜? わたし知ってるんだ〜。 宮古:知ってるって? 30mなんて俺だってそうそう行かないよ。まして一気にだなんて。 始めたばかりのときははよく行ったけど。 たまき:またまた、よく思い出してみなよ。 去年の5月くらいに30mイッキ、やったでしょ? 宮古:いや、 それは絶対にない。間違いないよ。 たまちゃん、さっきから一体何の話してるんだ? たまき:え〜、だってぇ。 宮古:他の男と間違えてるんじゃないか? ・・・誰か他の奴と一緒に潜りに行ったんだろ。 たまき:ちっ、ちがうよ! 誰とも行ってないよう。 そんなことしてないよう。 宮古:じゃあなんなんだよ、さっきから。 30mイッキとか、何とかさー。 ・・・・・・あ ・・・・・・・あの、 俺、・・・怒っても疑ってもいないから、 その”ウルウル目”はやめてよ。 理由が知りたいだけだからさ。 なんで? たまき:・・・・・・うん。 あのね、 キャンプのときに宮古さんの車の中に紅蘭と泊まったじゃない。 宮古:ああ、夏のキャンプ。 たまき:そのときにダッシュボードの中から懐中電灯を出して、 そのときに奥に宮古さんのダイブコンピューターを見つけてさ。 ちょっと興味があって、中のデータを覗いちゃったの。 勝手に見ちゃってごめんね。 宮古:ダッシュボードの中? ・・・って、グローブボックスのこと? たまき:そう。それそれ。 宮古:はあ?そんなところにダイコンなんか・・・、 ・・・・・・・・・・・・、 ・・・・・・・ああ。 いや、あれは俺のじゃないんだよ。 そうか〜、あんなところにしまっちゃったんだっけ。 どうりで部屋中探してもないわけだ。 たまき:あのダイコンって誰のなの? 宮古:あれは・・・・・・その、知り合いの、だよ。 たまき:知り合いって・・・・まあいいけどね。 男物だったから私としては誰でもいいんだけど。 それよりだめじゃん。 ちゃんとお片づけしないとさぁ。 ・・・なんならあたしが全部きれいにしてあげちゃうよ? 他にも宝物が出てくるかもしれないしね。 宮古:・・・・・・・・・・・・・・・・・・ たまき:宮古さん・・・・・・・? 宮古:・・・・・・・・・・・・・・・・・・
たまき:ねえ、どうしたの? 宮古:・・・・・・あのダイコンには、 去年の5月に30mを一気に潜ったデータが残ってたのか? たまき:そうだ、よ? それがどうしたの? おかしい? 宮古:・・・・・・そうか。 たまき:・・・なんだよう。 どうしちゃったの? 宮古:たまちゃん。 悪いんだけど、買い物は一人で行ってくれないかな。 俺さ、急用ができちゃって。 たまき:・・・・・・・急用? ん、んもぉ、冗談言ってないで行こうよ。 宮古:冗談じゃなくてさ。 あっちに10分くらい歩くと駅があるから、 帰りはそれを使って。 たまき:だって一緒にぃ・・・・・・ 宮古:この埋め合わせはする。 何でも言うこと聞くから、今日はごめん。 ゆっくり買い物を楽しんでくるといいよ。 じゃあな。 たまき:ちょっと待ってってばあー! ・・・・・・・・・ちょっとぉ〜。 行っちゃった。 な、なんなのよ一体。
たまき:ってゆーわけなのよ。 紅蘭:長いな。 んで、なに買うてきたん。 たまき:行ってないよ。 たしかに買い物自体がレジャーだってのはあるけど、 私にとっては宮古さんと一緒っていうのが 重要なファクターだったんだよ。 ひとりで買い物したって楽しくなんかないもん。 それで、そのあと宮古さんの後を追いかけていったの。 そしたら、もう駐車場から車が出て行くところでさ。 あっという間に遠くに行っちゃった。 紅蘭:いくらあんたでも自動車には追いつかんか。 たまき:私は普通の女の子だよ。 紅蘭:ほな、そのまま駅に行って、電車で帰ってきたんやな。 お疲れさん。 たまき:ううん。ここまで10Kmくらいだったから走ってきた。 紅蘭:・・・それ普通か? たまき:さあね。 でもちょっとすっきりした。
紅蘭:宮古はん、突然どないしたんやろなぁ。 どこかから電話がかかってきたわけやないんやろ? たまき:うん。もしかして 仕事のことで何か思い出したのかな。 紅蘭:それやったら、ちゃんとそう言って帰るやろ。 理由も言わんとデートすっぽかして帰るやなんて、いくらなんでも・・・・・・ たまき:じゃあ、私には言えない、私よりも大事な用事? なんだろう。 紅蘭:あんたより大事っちゅうか、 ”あんたと買い物すること”より大事なことやろな。 これ履き違えると不幸になるで。 たまき:うん。 そうかもね。 紅蘭:なんやったら、ウチからキサラはんに言って、 この件についてきっちり片をつけてもらってもええし。 たまき:ああ〜〜、いいよいいよ。 キサラさんが出てくるとかえってややこしくなりそうだよ。 紅蘭に話しを聞いてもらっただけで、もういいの。 気は済んだよ。 きっと、やむにやまれぬ事情があったんだよね。 紅蘭:まあそういうことやろうけど・・・・・・ そんな、ものわかりよくってええの? お人よしすぎるんとちゃうか。 甘やかすと調子に乗られんで。 たまき:そうじゃないよ。 理由は、宮古さんから電話かかってきたら聞く。 でなければ、今度会ったときに聞く。 私がその理由に納得できるかどうかだよね。 紅蘭:まーな。 それにビデオの予約忘れたとか、 ふたを開けたらそういうつまらん理由かもしれんしな。 たまき:んふふ。そうかもね。 宮古さんもあれで結構そそっかしいところあるから。 紅蘭:でもまぁ、デートすっぽかしたんやから 埋め合わせはしてもらわんとな。 たまき:あのね、「何でもいうこと聞く」って、いってたよ。 紅蘭:そらええな。 たまき:つまんない理由だったら、もう容赦しないんだから。 紅蘭:例えば、炊飯ジャーのスイッチ入れたかどうだか、 確かめに帰ったってのは? たまき:一日召使い!(笑) 紅蘭:召使いって・・・・、まあええけど。 ほな、アイロンの電源を切ったかどうか確信がもてないので帰った。 たまき:う〜〜ん。 ・・・それは仕方ないかなぁ。 紅蘭:やっぱりお人よしやん。 たまき:だって〜、まかり間違えば火事になっちゃうよ〜。 紅蘭:あれが服にアイロンなんかかけるタマか? こんな理由は嘘に決まってるやん。 騙されたらアカン。 たまき:ああ、そうか。確かに。 ・・・って、私が納得していいものかな。 紅蘭:ほななあ、 他の女の子とのデートの約束を思い出したから帰った、 っていうのは? たまき:えっ!? ほかの子とデート・・・・・・・・・・・? そ、それって、ヒドイじゃん。 私をあんなところに置いてほかの子のところに行くなんて!! 紅蘭:たとえば、やで? たまき:そんなの許せないよ。 もしそうなら別れる! 紅蘭:ま、まあまあ。 ちょっと落ち着き。 例えばの話やっちゅうに。 たまき:だって、もしそうだとしたらさぁ・・・・・・ 紅蘭:ものわかりがええのもアカンけど、 ただ疑り深いのもアカンで。 よう考えてみ。 宮古はんて、そんなことしそうな人なんか? たまき:・・・・・・しないか。 そうだよね。 あの人が私を置いてほかの女の子のところに行くなんて、 ないよね〜。 ・・・・・・んもう、紅蘭たら変なこといわないでよ! 紅蘭:例えばやっちゅうに。 たまき:例えばの話 紅蘭:ということは消去法でいくと、 つまらん理由説が有力やな。 たまき:やっぱり召使いだ〜♪ 紅蘭:・・・嬉しいんかい。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 夜になって宮古さんから電話がありました。 今日はどうしちゃったのって理由を聞いたんですけど、 「今は言えない」ってことでした。 ・・・なんだよそれ〜。 なんど聞いても教えてくれないので、 私はつい、怒って電話を切っちゃいました。
あ〜あ。 なんだか不安です。 本当のことが言えないなら、嘘でもよかったのに。 こんな理由だったんだよって、安心させてほしかった。 もちろん、本当のことを言ってくれるのが一番なんだけど。 ・・・私に嘘をつきたくなかったの?
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