9月7日(木)曇り

今日も曇りです〜。
車のシートで寝るなんて初めてだったんですけど、・・・なんか背中イタイです。
いまひとつ良く眠れませんでした。

真っ暗であんなに怖かった山も、朝日が昇ると別の表情を見せます。
山の朝の空気は、海辺のそれとはまた違って、澄みきっていて気持ちいいです。
森に漂う木の香りが、なんだかとても神秘的です。
今日は素敵な日になりそう。
・・・いや、今日こそは素敵な日にするんだ〜!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

たまき:なんだ、このビデオカメラ。・・・川のほうに向けて設置してある。
    何かあるのかな。
 白石:yaaohayou.teratukisan.
    asahayaindane〜.
たまき:・・・かなキー押し忘れてるよ。(笑)
 白石:おっとイケナイ。頭がボーッとしてて・・・。
    きのうはよく眠れた?
たまき:まあ、おかげさまでね・・・・・・。
    ところでこのビデオカメラって白石君の?
 白石:そのとおり。夜のあいだ中ずっと回していたから、
    これにあの水音の正体が写っているはずなんだ。
    みんなが寝たあとも何度か水音はしてたから、
    きっと何か写ってるよ。

早起きさんと徹夜組

たまき:そうか〜、じゃあそれで音の正体がハッキリするかもね。
    でも、そんなおそくまで起きてたの?
 白石:ちょっと書き物があったんで一晩中ね〜。
    僕、こう見えても忙しいんだよ。
    で、紅蘭さんはまだ寝てるの?
たまき:うん。
    ほっておくと、ず〜っと寝てるよ。
    朝ごはんのしたくするから、そろそろ起こさないとね。
 白石:じゃあ、今のうちにビデオで寝顔、撮っちゃおうかな〜。
たまき:あっ、かわいいんだよ〜、紅蘭の寝顔って!
    なんかしあわせそーーな顔してねぇ、
    思わずほっぺをツンツンしたくなっちゃうっていうか、
    実はいつもツンツンしてるっていうか・・・・・・
    って、
なに言ってるの、白石君!!
    そんなの撮るなんて、ストーカーみたいで悪趣味だよ〜〜。
 白石:自分はしょっちゅう見てるみたいじゃん。
たまき:わたしはいいの〜。
               ・
               ・
 白石:じゃあ、ちょっと小さいけどカメラのモニターで見てみよう。
 宮古:何が写ってるかなぁ。
たまき:幻の巨大魚ってこともあるよね。
 紅蘭:おもいっきり幽霊が写ってるかもしれへんで。
たまき:そんなぁ〜〜。
    そんなのは見たくないよ。
 白石:それはないでしょ。
    あの水音は幽霊の仕業なんかじゃないよ。
 紅蘭:なんでそう言い切れんねん。
 白石:いいですか?
    大きな水音がしたって事は、
    何か大きな質量のものが水に落ちたってことです。
    崖から岩を落としたのか、重い物を川の上まで持ち上げて落としたのか
    しりませんが、 物理的な体を持たない者にそんなことが出来るでしょうか。
    また、それだけのパワーを持った存在なら、なぜ水音をたてるという
    無意味な行為にのみその力が使われるのでしょう。
    そんなパワーがあれば、 幽霊は人に物理的な力で
    直接被害を与えることも可能なはずです。
たまき:直接被害を与える、って?
 宮古:幽霊がイキナリ殴り掛かってきたりするってことじゃない?
たまき:それ怖すぎ・・・。(笑)
 白石:・・・まあそういうわけで、あの水音は幽霊の仕業などではないのです。

水音の正体は?

 紅蘭:ほな、なんやっちゅうねん。
 白石:ここにその答えがあります。
    ご自分の目で確かめてみてください。
たまき:・・・やっぱ怖いなぁ〜〜。
    
・・・・・・・・・・・ねぇ、何か写ってる?
    
あーー、ダメダメ!見せないで。教えてくれるだけでいいから・・・。
    
あーー、でもでも!もしも怖いのが写ってたらなにも教えなくていいからね・・・。
    
あーー、ちょっと待って!
    
何も教えてくれないと怖いのが写ってるってわかっちゃうから、教えてくれたほうが・・・
    
あーー、それやっぱやめて・・・
 白石:ちょっとお黙り!(笑)
    いま、早送りしてるとこだから。
    ・・・この辺かな。
 紅蘭:えらいノイズの多い画像やな。
    なんとかならんの?
 白石:高感度にするとどうしても解像度が落ちるんですよ。
    (ウィウィ・・・ウィィィィィ・・・・・・・)
    どれ、うまく写ってるかな。
 宮古:そろそろじゃないか?
    ”(
ドッボーーーーーン)”
    ここだ。
    画面のはしに水柱が立ってる。
たまき:・・・どう?
 白石:・・・ああ〜、何か写ってますねぇ。
    パソコンに取り込んで、輪郭強調して何者かハッキリさせよう。
 紅蘭:ビデオカメラに、ノートパソまで持ってきたんか。
 白石:これくらいは紳士のタシナミですよ。

ノート:ういんどうず、きどうしまーす♪
    ごしゅじんさま〜、おはようにゃ〜
 白石:おはよ〜う、イブ。(笑)
    さて、じゃあフォトショを起動して・・・
 紅蘭:あの、い、いまなんて?
 白石:・・・ボクなんか変なことしましたか?
 紅蘭:いや、もう・・・・・・ええ。
    どんどん作業進めて。
 白石:変な紅蘭さん・・・。
ノート:ひらくにゃ〜!
 白石:偉いぞイブ。あとで御褒美だ〜。
 紅蘭:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 白石:(チャチャチャ・・・・チャ)
    ・・・このくらいかな。
    あんまり強調しすぎると、周囲のノイズまで拾ってワケわかんなくなっちゃうんで。
    はいOK。
    ・・・・・・おお、これはやはり!
たまき:なに?
    やっぱりユーレイ?
 紅蘭:いや、何かいるみたいやけど・・・
 白石:EJ改だったらイヤですね〜。
 紅蘭:そらファントム(幽霊)違いやろ!(ビシ)
たまき:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 宮古:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
たまき:私達、今の意味わかんないんだけど〜・・・・・・・・・・・・。
 紅蘭:え、うそ!?
    ・・・・・・じ、実はうちもようわからんで突っ込んでんねん。
    あは、あははっは〜・・・。
 白石:知ってるくせに、照れちゃって〜。
 宮古:・・・・・・ともかくこれが魚じゃない事は確かだな。
    おれが保証する。
 紅蘭:ほら、怖ないから、たまきも見てみぃ。
たまき:・・・うん。

・・・これは一体?

 白石:この世に未練を残して非業の死をとげた霊の姿がここに・・・
たまき:もー、白石君。
    紅蘭みたいなことしないでよ〜
    わたしを怖がらせてそんなに楽しいの〜?
 紅蘭:・・・たまき。
    ウチってあんな?
たまき:そうだよ。
    わたしが怖がると嬉しそうな顔してさぁ・・・。
 紅蘭:たまき、ごめん!
    もう絶対せえへん。
    あんなんと一緒にされたらタマランわ〜〜。
 白石:じゃあ僕もや〜めた。
    これでまた紅蘭さんと一緒ですね。
 紅蘭:ほな、やっぱりウチはたまきを怖がらすことにする!
    むっちゃ怖がらしたる!
 白石:じゃあ僕も、
    寺月さんに死ぬほど怖い思いをさせてやります!!
    そりゃもう、むしろ死すら救いとなるほどに!
たまき:・・・あんたたち、いいかげんにしてよね。(笑)
    宮古さん画面見せて。
 宮古:君ら見てると飽きないなぁ。
    ハイどうぞ。
たまき:なにこれ。
    ・・・・・・怪獣?
 宮古:怪獣?
    いったいどこが・・・・・・
たまき:ほらここが胴で、アタマで・・・
 紅蘭:・・・でもこれは水柱やろう。
    頭ちゃうで。
 
 白石:・・・いえ。
    寺月さんの言う通り、ビデオに写っているのは、
    僕も未知の水棲生物だとおもいます。
    良くできました寺月さん。今回やっと活躍できたね。
たまき:えへへ〜。
    ・・・・・・・・・・・・え?(笑)
 紅蘭:未知の水棲生物って、ネッシーみたいなやつ?
 宮古:恐竜だったら白石の専門分野じゃん。
 白石:普通「恐竜」の定義には、
    陸上生活をしているってことが含まれてるんだけどな〜。
    ま、いいか。
    実はこのあたりの淵は昔から龍神伝説が残る場所で、
    古い書物には海竜みたいな生き物の目撃譚がいくつもあるんだ。
    今回僕はそれを調べたくてキャンプ地にここを選んだんだよ。
    ここには、その生き残りがいるかもしれないってね。
    そして、怪しい水音、ビデオに映った影。
    間違いなくここにはなにかいるね。
 紅蘭:未知の動物がこんなとこにいたんやなぁ。
    ワクワクするやんなぁ。
 白石:よし!
    我々はこれより探検隊を結成し、
    この怪獣の探索を開始する!
    個体数が少ないことが予想される種なので、
    しかるべき早急に保護などの措置をとるためにも、
    その存在を確定的なものとしなければならない!!!
        っていうか、捕まえてパーっとひと儲けだ!
 紅蘭:小さい声で本音ゆうてるで。
 宮古:何がいるのかハッキリさせるのはいいけど、
    「パーっとひと儲け」なんてさせねぇぞ。
たまき:ねえねえ、こういうのって、
    そーっとしておいたほうがいいんじゃないのかな。
 宮古:そういわれると辛いんだけど、でも、
    学芸員の血が騒ぐっていうか・・・・・
    いるかいないかわかんない動物ってのは、どっちかハッキリさせたいんよ。
 白石:うん。君の気持ちはわかるぞ宮古!
 宮古:・・・ほんとかよ。
 紅蘭:ところで、その探検隊って何なんや。
    そんなん結成せんといかんの?
 白石:こういうときに探検隊を結成するのは、あたり前んことですよ。
    副隊長は僕が務めます。
たまき:白石君が副隊長?
    じゃあ隊長は?
 白石:・・・・・・寺月さん、紅蘭さん、
    
日本でもっとも偉大な探検家って、誰だと思いますか。
たまき:・・ええと〜〜、う〜〜んと〜〜・・・
 紅蘭:植村直巳かな?
 白石:たしかに彼は偉大な登山家で冒険家ですが、
    しかし探検家ではありません。
たまき:んと、間宮小樽さん?
    樺太まで行って地図を作った・・・
 宮古:たまちゃん、それは間宮林蔵だよ。
たまき:あ、そうそう。
    偉大な探検家だよね。
 白石:たしかにその通りだけど、
    残念ながら違うんだな。やはり日本で最も偉大な探検家といえば・・・
    ・・・・・・あの、ほんとにわかりません?
たまき:わかんないよ。
 白石:ヒントは〜、”水曜日”。
 宮古:あっはっはっはっはっ。
    俺、わかった。
 紅蘭:宮古はん、もうわかったんか?
 宮古:未確認動物、探検隊、そして水曜日。
    20代後半から30代の人は、良く考えればピンと来るはずだよ。(笑)
たまき:なんだよ〜、自分達ばっかりわかちゃって。
    仲間はずれにされた気分だよ〜。
 白石:・・・しかたがない。
    まったく再放送されないんだから、
    探検のたびに大発見をして、世界中にセンセーションを巻き起こした
    あの偉大な人物を、若い人達が知らないもの無理はないかもな。
 宮古:それって水曜スペシャルの川口浩だろ?
 白石:その通りだ宮古!(笑)
    我々はあの偉大なる探検家、川口浩に習う意味もこめて、
    彼を名誉隊長として頂きたいと思う。
    川口隊長が今もご存命であられたなら、世界中の秘境という秘境は
    とっくに探検され尽くされていたことだろう。
    ・・・ぼくらの子供の頃のヒーローって言ったら、
    長島茂男、力道山、川口浩だったな。
 宮古:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おいおい。
たまき:かわぐちひろし?
    へぇぇ〜〜、そんなすごい人がいたんだ。
    知らなかったね紅蘭。
 紅蘭:ちょっと待て。
    川口浩って聞いたことあんで・・・。
    そや、
   「川口浩は〜、洞窟に入る〜、カメラマンと照明さんの〜あとに入る〜」や。
    ウチが聞いたんは、そういうインチキな冒険の歌やったけど。
 宮古:そんな歌もあったな。

今回の主役は白石君かもしれない・・・

 白石:やれやれ、何ということだろう!
    そのようなデタラメな歌ばかりが巷に流れ、
    真に偉大な探検の数々が忘れられようとしている。
    僕らの世代は、川口隊長の偉大さを若い人達に伝えていかなければならない!
    あの歌がはやっていた頃、まだご存命だった川口隊長がフジテレビの
    「笑っていいとも」のテレフォンショッキングに出演された事があったんだ。
    そのとき隊長はその歌詞について、危険なところにはまず
    自分が入って確認して、そのあとカメラマンを入れて撮影するから、
    本当は違うんだということをおっしゃっていた。
    またピラニアに噛まれたのは本当に自分で、噛まれた指の第一関節から
    先には今も感覚がないともおっしゃっていた。
    そうでありながら、
    あのようなデタラメな歌の存在を許される、あの海のような心の広さ・・・。
    だいたい、考えてもみたまえ。テレビクルーでもある探検隊が
    一番大事にするものといったら、それはなんだ!
    人命か?真実か?
    
否である!
    一番大事なのは、カメラや照明などの撮影機材だよ。
    どんな偉大な発見も、ビデオで撮ってなきゃ放送できないんだから、
    それらを持ったスタッフを、まず先に危険な場所に行かせることなぞ、
    あろうはずはないのだ。
 紅蘭:あんた、いま真実がどうとか・・・(笑)
 白石:とにかぁぁぁく!
    この画面に映っている怪獣の正体の究明に全力を尽くしていただきたい。
    世紀の発見は諸君の双肩にかかっているのだ!
    
そして我々はこのあと、衝撃の光景をまのあたりにする!!
    
それは太古の昔からこの川に生息するという
    
幻の恐竜の姿なのか!!!!!
    (ババーーン)
    はいCMどうぞーっ!
 紅蘭:なんかえらいモードに入ってんなぁ。
 宮古:ビデオカメラは2台あるから持っていこう。
 白石:いや、定点観測用に、ここに一つ残しておきたいな。
たまき:わたしはいいよ。
    そういうキカイ難しそうだし。
 白石:寺月さんにはデジカメがあるからこれを預けよう。
    ここ押せばいいから。
たまき:ありがとー。
    デジカメなら持ってるから大体わかるよ。
 宮古:じゃあビデオカメラは、はい、紅蘭。
 紅蘭:おおきに。
    ウチにまかしとき。
 白石:CM終わりー!
    (ババーーン)
    この画面に映っている怪獣の正体の究明に全力を尽くしていただきたい。
    世紀の発見は諸君の双肩にかかっているのだ!
    
そして我々はこのあと、衝撃の光景をまのあたりにする!!
    
それは太古の昔からこの川に生息するという
    
幻の恐竜の姿なのか!!!!!!
 紅蘭:・・・・・・なんでさっき言ったこと繰り返すんや?
 白石:CM明けは、CM前の10秒を繰り返す決まりなんですよ。(笑)

たまき:ところでさ、
    怪獣とか恐竜とかいうのって、なんか味気なくない?
    いっそのことこの怪獣に名前付けちゃおうよ。
 宮古:その龍神伝説とやらではなんて呼ばれているんだ?
 白石:いや、「龍神」とだけ。
 紅蘭:ほな勝手に名前つけとこか。
 宮古:じゃあ〜〜、リバイアサン。
たまき:えっとね〜、オクタマゴン!
 紅蘭:ロケ地がバレバレやんか。(笑)
 白石:僕は・・・ラブリーミカゴン。
 紅蘭:・・・・・・・・・・・・・・・ぁう。(またネタがわかったらしい)
 白石:紅蘭さんは?
 紅蘭:ツッキー。
 宮古:なにそれ。
 白石:ではペロペロキャンディーを用意しないと。
 紅蘭:・・・これの元ネタわかるん?
 白石:基本ッス。
たまき:なんなのよ、あんたたちは。
 白石:・・・寺月さんの「奥多摩ゴン」、いい感じですね。
    それで行きましょう。
 紅蘭:・・・漢字で書いたらアカンて。
 白石:ではこれより、怪獣オクタマゴンのいた痕跡がないか、
    あたりを捜索します。
    
我々は今、幻の怪獣オクタマゴンの痕跡を捜索する為
    
密林奥地へと入り込む!!!!
    
そこには一体何が待ち受けているのか!!!!!!
    
そして我々が見たものとは!!!!!!!!!!!
    ではCMどうぞー!
 紅蘭:・・・もうそれはええから。
           ・
           ・
           ・

水曜スペシャルのビデオ化プリーズ!

 宮古:我々が見たものっていえば、木とか岩だな。
 紅蘭:歩けど歩けど、木と岩ばっかり見放題やなぁ。
    ウチいい加減疲れてきたわ。
たまき:痕跡ったってもねぇ。
    ・・・そもそもあれ、陸に上がってくるのかなぁ。
 白石:どうも夜行性のようだから、昼はどこかで寝てるんでしょう。
    そのオクタマゴンの巣はどこか。
    エラ呼吸なら水中で寝ていることも考えられるけど、
    ぼくらが聞いた水音、
    あれは空気を吸う為に水上にあがってきた時の音だと思うんだ。
    もしそうならオクタマゴンは肺呼吸だから、ねぐらは陸上にあるはずなのさ。
 紅蘭:ほー。今度は意外と論理的やな。
 白石:でしょでしょ〜?
 宮古:副隊長さん、その調子でもうちょっと場所を絞り込んでくれないかな。
    こうあちこち歩き回ってもらちがあかないぜ。
    大体、その巣が川のこっち側だって根拠はなんなんだよ。
 白石:・・・え?
 宮古:オクタマゴンの巣が川のこっち側とは限らないだろ?
    もし巣が向こう岸なら、このへんには橋がないから、
    ボートも何もない俺らには、どうしようもないぜ。
    そこんとこどうなってるんだ、副隊長さん。
 白石:・・・・・・いや、向こう岸かぁ〜。
    そりゃ〜盲点だったなぁ〜〜。
 宮古:お前いいかげんにしろよ〜。
 白石:まあまあ、こっち側に巣がある可能性はまだ50%もあるから。
    諦めるのはまだ早いよ。
たまき:あの〜、クジラもイルカも肺呼吸なんだけど・・・。
    水中に完全に適応してるなら、陸に巣なんかないかもしれないよ?
 白石:あいたぁ〜。
    ・・・じゃあ42%くらいにしとこうかな。

たまき:あ?
    副隊長〜、あれなんだろう。
 紅蘭:なんや?
 白石:違う違う!
    もっと遠くから、「ふくたいちょー、ちょっと来てください!」
    って呼ぶんだよ〜。
たまき:んもう、めんどくさいなぁ・・・。
    ちょっと待っててね。
    (ガサ・・・ガサガサ・・・)
 白石:あの子、いい子だね。(笑)
 宮古:うん。・・・まあ。

たまき:・・・この辺でいいかな。

遠くから呼ぶ隊員(基本)

たまき: 「ふくたいちょーっ、ちょっときてください!!」
 白石:「どうしたっ!」
    隊員の一人がなにか発見したようだ!副隊長の表情にに緊張が走る!
    行こうみんな!!
 紅蘭:なんや、段々アホらしなってきたな。

たまき:なにか大きなものが歩いた跡だよね、これ。
 白石:一方は川のほうに向かっている。
    ということは、オクタマゴンの巣はこっちか。
たまき:これだと、オクタマゴンは宮古さんの車くらいの大きさかな。
 宮古:・・・俺には新しい獣道にも見えるんだけど。
 紅蘭:そうも見えるなぁ。
たまき:・・・う〜〜ん。
 白石:とにかく巣と思われるほうに行ってみよう。
    そうすればハッキリするから。
 宮古:そうだな。
          ・
          ・

たまき:ああ〜。
 紅蘭:洞窟・・・やんなぁ
 宮古:オクタマゴンの巣か?
 白石:川口浩探検隊といえば洞窟探検だ。
    本来の探検の目的とあまり関係ないときでも、
    隊長はいつもきちんと洞窟を探検したものさ。
たまき:それって、どうかと思うけど・・・・。

洞窟探検(定番)

 紅蘭:探検すんの?
 白石:無論だ。
    
地元の民も恐れて近寄らない、
    おそるべき竜神伝説の残るこの淵に、
    我々はオクタマゴンの巣と思われるものを発見した!!
    
はたして怪獣オクタマゴンはこの奥に存在するのか!!!!
    
我々はついにその真実に、迫るっ!!!!!!!
 宮古:・・・・・・今なんて言った?
    地元の人が寄りつかないって?
 白石:そだよ〜。
    なんでこんないい所に誰も来ないと思ってた?
 宮古:だってここは穴場だってお前が・・・・・・
 白石:だから穴場だろ?
    人が全然来ないから、魚を釣れば入れ食いなんだよ。
 宮古:そ、そうだけどさ・・・・・・
    じゃあオクタマゴンてヤバイんじゃ?

 白石:ダイジョブさ!
    さあカメラマン!
    先に洞窟に入って中の様子を撮影するんだ。
 紅蘭:アアア、アホ!
    それやったら、あの歌のまんまやないか!!(笑)
 白石:それはそれ、これはこれ。
 宮古:お前が先に行けよ。(ドン)
 白石:あっ、やめ・・・、押さないで・・・・・
    (ふかっ)
    ん?・・・なんだこれ

巨大熊:・・・・・・グルルルルルルルル・・・スーーーー・・・
 白石:・・・・・・・・・・・☆★☆★っ!!!!!!!!!

 白石:\(◎o◎)/(パクパクパクパク・・・)
 紅蘭:もう戻ってきよったで。
 宮古:どうした?くちパクパクして。
 白石:し〜〜〜〜〜〜〜っ。
たまき:なにかいたの?
 白石:な、中では〜、おっきなおっきなクマさんがおやすみちゅうだから〜、
    起こさないように、みんな静か〜〜に、ここから離れましょう。
    いいかな〜〜。
 紅蘭:く、く、熊?
 宮古:わかった。
    静か〜〜にな。
たまき:・・・忍び足で、ね。
 白石:行こう。
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろり)
   (・・・そろ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 白石:
たまき:
 宮古:
 紅蘭:
うわぁぁぁぁああああああっ!!
(ダダダダダダダダダダダダ・・・・・

         ・
         ・
         ・
 紅蘭:はあっはあっはあっはあっはあっはあっ・・・・・・・
 宮古:あ〜、おっかなかった〜。
 白石:死ぬかと思ったよ〜。
 紅蘭:ほんまやなぁ。

 宮古:・・・あれ、
    たまちゃん?
    たまちゃんはどこだよ!?
    ま、・・・まさか逃げ遅れた?
    俺、もどって探してく・・・・・
 白石:いや、彼女ならとっくに着いて、
    もうテントをたたんで、どんどん荷造りしてるよ。(笑)
 紅蘭:はあっはあっ・・・
    いつもながら走るの速いなぁ。
たまき:・・・ああ〜、みんなやっと来たぁ。
    なにモタモタしてたんだよ。
    もうさっさと帰ろうよ。
    ほら、車に荷物積んでさ。
 宮古:息、ぜんぜん乱れてないし・・・
たまき:宮古さんも運ぶの手伝って。
 宮古:は、はい。
たまき:紅蘭、借りてたビデオカメラは?
    ほらここに入れて。
    白石君、定点観測のカメラも片づけちゃったよ。
 白石:ああ、それ何か写ってるかなぁ。
たまき:ビデオ、動いてなかったみたいだけど?
    だから勝手に片づけちゃったんだけど。
 白石:あっ、・・・・・・バッテリー交換するの忘れてた!
 紅蘭:・・・ダメダメやな。

 宮古:結局あの水音と、あの怪獣らしき影の正体は謎のままか。
 紅蘭:・・・それでええんとちゃう。
    ロマンやんか。
 白石:うむ。
    ・・・我々は後一歩のところで伝説の龍神、
    オクタマゴンの正体に迫ることが出来なかった。
    しかし、ここにその龍神らしき何かがいたことに間違いはないのだ!
    このビデオテープに映った姿が、それをたしかに物語っている。
    
・・・いずれ、また我々はここに戻ってくる事を約束する!!!
    
その時こそ、我々は真実にたどり着くことができるだろう!!!!

    ※ヘリで空撮 ・ それに向かって手を振る隊員達。
    ※エンディングテロップ/BGM”BLADE RUNNER(ENDTITLE)

空撮
    (ジャーーーーーーーーーン)

 宮古:・・・って、またここに来るのか?
 白石:一応そういっておくだけさ。(笑)
    
さ、撤収っ!


  (ひよひよひよひよひよ・・・・・・)

 白石:・・・ん〜、なんの音だ?
 紅蘭:ひよひよて・・・あっ、空!
たまき:わあっ!
    ゆゆゆゆゆゆゆゆ、
UFOだ!

UFO(うさんくさ・・・)
  (ひよひよひよひよひよ・・・・・・)

 宮古:たまちゃん、カメラカメラ!!
たまき:えっ、どこどこ!?
 宮古:首からデジカメ下げてるだろ!
たまき:そうだっ、
    (あたふたあたふた)
 紅蘭:早よう早よう!今、川の上にいって・・・・・・ 
    
(ドッポーーーーン)
    なんか・・・落したで・・・・・・?
    
(ドッポーーーーン)
    ・・・またや。
 白石:観測機器かな。
    何かの侵略兵器かな。
 宮古:・・・ゴミじゃねえか?
    細かいのもバラバラ落ちてるし。
    ビニール袋みたいのもあるし。
 紅蘭:ウチらが聞いた水音の正体って・・・あれ?
    UFOの捨てたゴミの落ちた音?
    ビデオに写った怪獣みたいな影もゴミってか?
    ロマンぶち壊しや〜ん。
 白石:この川の龍神伝説も、所詮はただの伝説だったか・・・。
    それにしても、モラルのないヒドい宇宙人だな〜
    いつもああやってゴミを捨ててるんだ。
 宮古:なあ〜、早いとこここから逃げようぜ。
UFO:ひよひよひよひよ・・・
    (ドッポーーーーン)
    ひよひよひよひよ・・・
たまき:撮影準備オッケー!
    ゴミ捨てUFOさん、チーズ!

   ごごごごごごごごごごごごご・・・・・・)

 紅蘭:川からなにか出てくるで!

UFO:ひよひよひよ・・・・・・ひよっ!?

   (ドッッッパアアアアアアアアン)

                (ガブッ)

   
伝説の龍神、現る
       (ドッッッパアアアアアアアアン)

   (ザザザザザ・・・・・・・・・)

 紅蘭:・・・UFO、く、食われよった。
たまき:ななななな、なに今の?
    青くてばかでっかい龍みたいな・・・
 宮古:・・・・・・・・・・・・。(精神的なキャパシティオーバーで機能停止状態)
 白石:あれは、この淵に昔から住むという龍神だよ。
    あの伝説は、本当だったんだ。
    ゴミ捨てUFOは龍神の怒りに触れたんだ。
    ・・・・・・っていうか、もうなんだかよくわからないけど。(笑)

 紅蘭:たまき、今の撮ったか?
    UFOと未確認生物が一緒に写ってる写真なんて、
    前代未聞やで!
たまき:撮ったよ。
    バッチリ撮ったけど、
    ・・・紅蘭、画面見てみなよ。
 紅蘭:おお?っやったー!
    すごいなたまき!決定的瞬間が撮れてるやん!
たまき:だけど、
    川の深さより明らかに大きな龍が出てきて、UFO咥えてるんだよ?
    ・・・・・・こんなの誰が信じる?(笑)
 紅蘭:ああ〜、・・・・・・せやなぁ。
    しかもこれデジカメやから、あとからデジタル加工し放題やんなぁ。
    ウチやったら絶対信じへんわ。

 白石:寺月隊員、紅蘭隊員。
    地球には、まだまだ我々の力の及ばない領域があるのだ。
    それがわかっただけでも良しとしようじゃないか。
    誰も信じてくれなくてもいいんだ。
    今日見た事は我々の胸にそっと秘めておけばいい。
    これは後でプリントアウトして、おのおので思い出にしようよ。
 紅蘭:まあ、・・・そうやね。
    すごいもん見れたよなぁ。
たまき:とにかくここは龍神様のいるところだから、
    早く出て行こう。
    あ、ゴミは一つ残らず拾っていこうね。(笑)
 白石:っていうか、それにはこいつをどうにかしないと。
    僕、車の免許持ってないんだよね。
 宮古:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
たまき:ちょっと?宮古さん?(ゆさゆさ)
 宮古:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 紅蘭:うわちゃ〜、
    宮古はんって、この中では一番常識人やってんな〜。
    あの体験には耐えられんかったんや。
たまき:キミタチはともかく、私は常識人だよう。
 紅蘭:ようゆうわ。
 白石:寺月さんってあのとき、恐竜の正体が僕だったっての、
    信じられないほどあっさり受け入れてましたよ。(笑)
たまき:そう、だったっけ?
 白石:なんにせよ、宮古がこっちの世界に戻ってくるまで
    どこにも行けませんね。
たまき:みやこさぁん・・・
 紅蘭:たまき、宮古はんに、あんたお得意の目覚めのキスしたったら?
    目ぇさますかもしれへんで。
たまき:ええ〜〜・・・
    ででで、でも恥ずかしいよう〜。
 白石:じゃあ僕がかわりに、宮古に目覚めのキスを・・・・・・(笑)
たまき:だッ、ダメェーーーー!
 紅蘭:アカンて!
    宮古はん、二度と帰ってこなくなるーーー!
 白石:んん〜〜〜〜〜ジュッテーム・・・(笑)
たまき:キャアーーーーーッ!!!
 紅蘭:いやぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!
 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

目を覚ました宮古さんの運転する車に乗って、
私達はそのキャンプ地を後にしました。
山を下りるとそこには普通の日常を送る町並みが広がっていて、
そんな中を10分も走るうちに、
さっき見たものの現実感がどんどん薄れていきます。
まるで夢でも見ていたみたい・・・・・・
ある意味、とても思い出に残るキャンプでした。

・・・それと、宮古さんがどうやって目を覚ましたかは、
みなさんのご想像にお任せします。(笑)

キャンプはこれでお終い。
それでは、
 おやすみなさ〜い。


   
 



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