12月9日(水)晴れ

学校も冬休みになりました。
・・・といってもこのへんは寒くないので、冬休みといってもなんか変なかんじです。
この休み中に私はアルバイトをすることにしました。
もうすぐクリスマスです。
自分で働いたお金で、るーくさんに何かプレゼントしたいの♪
バイト先は風ちゃんが紹介してくれた雑貨屋さんです。
今日はそのお店まで、風ちゃんに送ってもらいました。


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たまき:悪いね、風ちゃん。手間かけさせちゃって。
 ふう:いいのよ、別に。椎名さんも人手が欲しいって言ってたし。
    でも、どうしたの?急にアルバイトしたいだなんて。

たまき:う〜ん、ちょっと欲しいものがあってね。
    その椎名さんて人がお店の人なの?

 ふう:そうよ。うちのOGの人で、綺麗な人よ。
    雑貨屋さんは年末忙しいから大変みたいなの。

たまき:クリスマスだからね。
    ・・・・・・そうか〜忙しいんだよね。
    私に勤まるか不安になってきちゃった。




 ふう:なんとかなると思うよ。
たまき:だといいんだけど・・・。
    ねえ、こんな格好でいいのかな。

 ふう:動きやすい服ならいいんじゃない。
    お店ではエプロン着用なの。
    じゃあ、行きましょうか♪
(キキュッ・ヴォン、ボボボボボボボボ
たまき:どきどきするなぁ。




 椎名:こんにちは〜、店長の椎名です。あなたが寺月さんね。
たまき:ハイ。よろしくお願いします。
 椎名:短期のバイトだから、レジ周りのお仕事をお願いするわね。
    具体的にはレジ打ちとラッピングね。電話は出なくてもいいから。

たまき:ハイ。
 椎名:そうそう、名札作っておいたの〜。これをつけてね。
たまき:ハイ。(パチッ)
 椎名:細かなことは後で教えるわね。まずはお店のコ達を紹介しなくちゃね。

たまき:ハイ。

 椎名:ちょっとみんな集まって。
    この子が今日から私たちの仲間になる寺月たまきさんです。
    年末だけの短期の子なんだけど、いろいろ教えてあげてね。
    じゃあ、寺月さん。

たまき:ハイッ。寺月デス。皆さんよろしくお願いしマス。
 椎名:うちのスタッフよ。まず右から、
    山崎君、早川さん、森村チーフ、岡崎君、高橋さん、秋本君・・・。

たまき:うあ、たくさん・・・。(パニック!(笑))
 椎名:わからないことがあったら、山崎君に聞いてね。
    ラッピングとかも彼に教えてもらうから。

たまき:・・・ハイ。
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たまき:ただいま紅蘭。
ワンパ:ワフ!ワフ!
たまき:はいはい、ワンパもただいま。
ワンパ:ウォフルルゥ。
たまき:ひゃ〜、つっかれた〜。一日中、立っているのはツライなぁ。
    (ドサリ)




 紅蘭:お疲れさん。・・・あんた、どこ座ってんねん。(笑)
たまき:椅子を出す気力もないよ〜。
 紅蘭:どうやった?バイト。
たまき:それがさ〜、結構大変なんだよ。
    今までお客さんだったから考えもしなかったけど、
    お店って、仕事がたくさんあって息付く暇もないのね。

 紅蘭:まあ、接客業はいっつも楽しそうにしてなあかんからなぁ。
たまき:そうなんだね〜。
    私なんかレジ打つだけなんだけど、ほかの人はそれプラス、
    発注したり品出ししたり整頓したり万引き防止に監視したり、
    それ全部一緒にしたり。(笑)
    わたしには無理だよ。


    レジは打っているうちに覚えるしかないから、
    とりあえずはラッピング。
    これ出来ないと、この時期何の意味もないらしいからね。
    素早く綺麗にやらなきゃいけないから難しいよ。

    あとねぇ、ラッピングしてるときに、目の前でお客さんが
    じぃ――――――――――――――っと見てるの。
    見られてると緊張して手が震えちゃうよう。


 紅蘭:そう言えば、ラッピングするとこって、おもろいから見てまうなぁ。(笑)
    ・・・ほんま大変そうやな。
    まあ、働くんはいい勉強になるで。頑張ってや。


たまき:うん、ありがと。
    ところで、なんだかシャンプーのいい香りがするね。

 紅蘭:それはワンパや。
    このあほ、今日屋根の上から海に落ちよってなぁ。
    ほんまびっくりしたで。

たまき:ええ!?大丈夫なの、ワンパ?

 紅蘭:ドッポ〜〜ンってすごい音したけど、別に何ともないみたいやな。
    でなぁ、そんときにぶつけて、メガネ壊れてもうたんや。

たまき:そう言えば紅蘭、メガネしてないね。
    ・・・ふ〜ん。

 紅蘭:なんや、人の顔見て「ふ〜ん」って。気色悪いな。
    ・・・だいたいあんた、気が付くの遅すぎるで。(笑)
    まあそれで、海に落ちたついでにワンパをシャンプーで洗ったったんや。

ワンパ:わふ♪

たまき:・・・海で?
 紅蘭:そないなことしません。バスルームや。
    シャンプーのボトル、半分使ってもうたわ。(笑)

たまき:もう、紅蘭たら。
    ワンパ、良かったね

ワンパ:ルルゥ。

たまき:じゃあわたし、ここでラッピングの練習してる。
    部屋には机とかないからね。

 紅蘭:あの・・・・・・ごはんは?
たまき:悪いけど買ってきたそこのお弁当を食べて〜。
 紅蘭:はぁい。ワンパ、行こ。
ワンパ:ワフ。

たまき:さてと、(ガサガサ)こう置いて、左から持ってきて・・・・・・。
    で、ひっくり返して・・・・・・。
    そうだ!ラッピングを自分で出来るようになったら、
    るーくさんへのプレゼントも自分で包めるね♪・・・うふふ。
    よ〜し頑張ろっと。


           
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 電話 :ジリリリン・ジリリリン
 たまき:はい、寺月と李です。
     あ、ジュディさん♪

ジュディ:こんばんは、たまきさん。
     お元気かしら。

 たまき:ええ、先月はちょっと体を壊しましたけれど、
     それ以来は大丈夫です。

ジュディ:それは良かったわ。
     るーくから聞いてはいたんだけれど、お見舞いにも行けずにごめんなさい。
     ところで、その、

     ・・・・・・ワンパのことなんだけど、
     長い間本当にありがとう。
     こちらのほうでやっとワンパを迎える準備が出来たの。
     今度は屋敷からちょっと離れた倉庫を改造して、
     ワンパ専用の部屋を作ったのよ。
     とっても大きい建物だから、ワンパも満足すると思うの。
     ワンパが戻れば、私もそちらに引っ越すわ。
     だから、その・・・近いうちにワンパを引き取りたいんだけど。

 たまき:そうなんですか。
     ワンパがいなくなると寂しくなっちゃいますね。
 
ジュディ:あなたがたには、なんてお礼を言ったらいいか・・・。
     とにかくその件で、今度直接そちらに行ってお話したいの。
     いつがいいかしら。

 たまき:ちょっと待っててください。
     こうら〜ん!ちょっと来て。

 紅蘭 :なんや〜。うちに電話?



 たまき:ジュディさんがワンパを引き取りにくるの。
     だからその日を・・・・・・。

 紅蘭 :なっ、なんやてぇ!?
     そ、そんなん
嫌や!そんな・・・急な・・・

 たまき:紅蘭・・・。
     あの、ジュディさん。
     改めてこちらからお電話しますから。

ジュディ:どうしたの?
 たまき:すいません、そういうことで。(チン)
     ふぅ。



たまき:あのさ・・・紅蘭の気持ちもわかるけど・・・。
 紅蘭:ごめん、
    ・・・・・・いずれこうなるのは、わかっとたのにな。
    うちのことは、うちでケリつけるわ。
    ワンパの話、進めといて。 
    行こう、ワンパ。
    ・・・お休み。

ワンパ:ルフ?


たまき:紅蘭かわいそう。ワンパのこと可愛がってるからなぁ。
    ワンパ、いなくなるんだ。

    ・・・・・・・・・・・・あれっ?


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って言う事は、るーくさんも来なくなっちゃうってこと?
・・・・・・だよね。
そんな〜、どうしよう。

・・・・・・クリスマスイブまで、
ジュディさんにはそれまで待ってもらおう。
紅蘭のこともあるしね。

それで、そのときに・・・、クリスマスイブにるーくさんに・・・・・・。
私の気持ちを伝えなきゃ。
・・・なんて言ったら、いいんだろうな。

よ〜し!頑張ろう。
ラッピングの練習練習〜!






ああっ、もうこんな時間!? おやすみなさ〜いっ!
   

 

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