8月29日(金)・・・後編1 猫になりきった瑠璃果ちゃんをほうっては置けず、 わたしはどんどん危ないほうにいくのでした・・・。 瑠璃果:にゃあん、にゃあん、はあ、はあ、はあ、 たまき:もう、待ちなさいってば。 何で逃げるのよう! ・・・おっとっと! EOD1:じゃあ、そこに降ろすぞ。 EOD2:はい。 EOD1:・・・ん?今、上でネコの声がしなかったか? ちょっと・・・色っぽい感じの。 EOD2:こんなところに猫ですか? んな馬鹿な・・・ 瑠璃果:うにゃああああ! EOD2:うわあっ、びっくりした! EOD1:・・・女?民間人? 全員避難したんじゃなかったのか!? 瑠璃果:にゃあ!にゃあん!! EOD2:なにふざけてるんだよ!? ちょっと、こっちに来るな!周りを回るな! これがなんだかわかってるのかよ! 瑠璃果:にゃうう〜〜〜〜・・・ たまき:瑠璃果ちゃん待ちなさ・・・ きゃあっ!宇宙飛行士!? ・・・じゃないか。 EOD2:また民間人? いったいどうなってんだよ。 キミ達ねぇ、警官が入り口に立っていただろう? いまこの橋は立ち入り禁止なの。 たまき:立ち入り禁止?・・・そうなんですか? おまわりさん達は私達が危ない場所を歩いているせいで ここに来たんじゃないんですか? EOD2:はあ? ・・・とにかく危険だからすぐにここから離れて。 たまき:いうとおりにしたいのは山々なんですけど、 その前にこの子を何とかしないことには・・・ すみません、捕まえたらすぐに帰りますから! 瑠璃果:にゃにゃにゃっ! たまき:瑠璃果ちゃん、待ちなさ〜〜い! EOD2:こらっ、危ないからオレ達の周りを走るな! これは爆弾なんだぞ!? 落として爆発したらどうすんだ! たまき:ば、爆弾? 監理官:ここにいたのね!止まりなさい! 貴様ら、公務執行妨害で逮捕する!(ジャキッ) (ゴツッ) たまき:きゃあっ!? 監理官:動くんじゃないわよ。 EOD1:監理官。 この子たちはいったい・・・? 監理官:我々の制止を振り切って、まっすぐ爆弾のあるここをめざした。 とても偶然とは思えない。 こいつらは爆弾を仕掛けたテロリストの仲間かもしれないわ。 たまき:ぐ、偶然ですよう・・・。 監理官:それに上で警官が二人倒されたわ。 そっちの子も拘束するから手をかして。 EOD1:手をかしてと言われましても、 我々はまずこの爆弾を降ろして処理にないことには。 もう時間があまりないでしょう。 監理官:ちょ、ちょっとまって、それが爆弾なの? 見たところ冷却してないようだけど、 持って歩いて大丈夫なの? EOD1:ええ、いちおう安全だと思います。 ただ、素人の作った時限装置ですから、 はっきりいっていつ爆発するかわかりません。急がないと。 監理官:そうね、じゃあできるだけ急い・・・・ たまき:ドッカーーーーン! 監理官:うわああああああっ! たまき:・・・・・・・・・・なあんちゃって〜。 あれ? EOD1:・・・・・・・・・・・・ EOD2:・・・・・・・・・・・・おいおい 監理官:・・・・・・・・・・・・き・・・、きさま・・・・ たまき:あっ、すみません、 つい・・・・ EOD2:「つい」じゃないだろう。 瑠璃果:にゃにゃにゃあ〜〜〜〜っ!(たたたたたたたた) たまき:しまった!瑠璃果ちゃん! まちなさぁ〜〜い! 監理官:あっ、こらっ!待て! EOD1:追いかけなくとも、どうせ橋の向こう側も警官が固めているんです。 今逃げられてもいずれ拘束できますよ。 監理官:邪魔をするな! あいつらはテロリストの仲間かもしれないのよ! 妙なルートを使って警備の目をかいくぐってここまで来たんだから、 同じような方法で脱出されないとも限らない。 それに、ここに不審物が見つかったせいで、 橋の中央部まで手がまわらず、 まだ一通りの捜索しかしていないわ。 もしかしたらなにかあるのかも。 EOD1:世界的に見ても、爆弾魔というのはほぼ例外なく男です。 まして、あんな若い娘に爆弾の材料調達や 作成に関する知識や技術があるとはとても思えません。 彼女達はシロですよ。 監理官:しかし・・・・私の勘はそうはいっていないわ! 二人は私が押さえる。 あなた達はこの爆弾の処理を急いで。 (カンカンカンカン・・・) EOD1:・・・よし、時間がない。 俺は発泡スチロールで壁を作る。 お前は液体窒素の注入準備だ。 EOD2:大丈夫ですか、監理官ほおっておいて。 EOD1:俺たちの仕事はこっちだ。 とにかく早く処理しよう。 EOD2:了解。 EOD2:液体窒素注入準備完了。予告時間まであと2分です。 EOD1:こちらはもうすぐだ。大きいので思ったより手間がかかった。 ・・・オッケー、冷却しよう。 そっち側から静かに注いでくれ。 EOD2:入れます。 EOD2:パイロットランプの消灯を確認。 電池の起電力が落ちきったようです。 電池ボックスは容器の外側にあったようですね。 EOD1:まずは成功だな。 このまましばらく置いて中まで冷やそう。 (ザッ)監理官。爆発物の初期処理終了。 監理官:了解。ご苦労。(ザッ) EOD2:思ったより簡単でしたね。 EOD1:簡単ときたか。言うようになったな。 EOD2:いえ、そういう意味じゃないです。 ここは関係者以外立ち入り禁止で見つかりにくい場所とはいえ、 爆発物が堂々と通路の真ん中に置いてあったもんで、 仕掛けた奴に自信があるっていうか、 処理に手間取るような仕掛けがしてあるんじゃないかなぁって、 嫌な予感がしたんですよ。 でも、おれの取り越し苦労でした。 EOD1:まあそう言うことだな。 予告時間まであと1分ちょっとだったか。 EOD2:爆弾、これだけだといいですね。 EOD1:爆弾魔というのは大抵愉快犯だ。 社会に自分の影響力を示すために爆弾をしかけ、爆発させるんだよ。 だからとにかく爆発して、みんなが自分を怖がればそれでいい。 複数の爆弾を持っているなら、また別の場所に仕掛けるのが普通で、 一ヶ所にいくつもの爆薬を仕掛けるというのは聞いたことがないな。 ・・・・・・・・・・・だが。 EOD2:なんです? EOD1:この事件、なんか普通じゃない気がするんだよなぁ。 ・・・だいたい、なんで爆破予告なんかしたんだろうな。 たまき:はあ、はあ、いいかげんバテてきたぞぅ・・・・ 瑠璃果ちゃんはペース落ちないなぁ。 若いから? それとも催眠術の効果で疲れ知らず状態なのかな・・・・はあ、はあ・・・・ 瑠璃果:はっはっ、ニャンニャン、はっはっ、ニャンニャン・・・ (ヴォン、ブォォォォォォォォォォォォン・・・・) 監理官:そこの二人、止まりなさい! 瑠璃果:ニャン!? たまき:あっ、さっきの人。 (キュキューーーーーーッ) 瑠璃果:ニャウゥ・・・けほ、けほ・・・・ 監理官:お遊びはそこまでよ。 あなた達には聞きたいことがあるの。 さあ、おとなしくこの車に乗りなさい。早く。 たまき:私たちテロリストとかじゃないんですけど〜・・・。 瑠璃果:にゃうううう〜〜。 たまき:ここに来たのも偶然なんです! この瑠璃果ちゃんがテレビ番組で催眠術をかけられて猫になっちゃって、 いきなり逃げ出したんで、私がここまで追いかけてきたんです。 監理官:催眠術? あんなのどうせインチキでしょ? たまき:本当なんです〜っ。 瑠璃果:にゃあん! 監理官:ハイハイと信じられる話じゃないわね。 とにかく、詳しいことは本庁に戻ってから聞くわ。 もしあなた達がテロリストじゃないのなら、 もうちょっと警察に協力的になってもいいんじゃない? ほら、乗って。 たまき:まいったな、なんとかして瑠璃果ちゃんを捕まえないと。 もう逃げないでね・・・・ (ピピピピピピピピ) 瑠璃果:にゃッ? 監理官:・・・爆破予告時間のアラームよ。 もっとも、もうすでに爆弾は処理済だけど・・・・ パン、パパン、パン、パパパパン・・・・ たまき:きゃあっ! 瑠璃果:にゃん・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・ん? 監理官:なに、今の破裂音。 他にも爆弾があったのね? ・・・音からして花火程度の小さな爆発だったみたいだけど。 いったいどういうことかしら。 瑠璃果:あれ?あれ?あれ?(キョロキョロ) わたし、なにやってんだろ・・・・ たまき:よし、今だッ!! つかまえたぁ!!(がばあっ) 瑠璃果ちゃん、もうにがさないからね! 瑠璃果:うひゃっ! あっ、・・・先輩!? もう逃がさないだなんて・・・、ええ、 瑠璃果はいつまでも先輩のお傍にこうしていさせていただきます! たまき:・・・うぉっ、しゃべってる! 瑠璃果ちゃん正気に戻ったの? 瑠璃果:背中に先輩のぬくもりを感じます〜。 ああ、そうして瑠璃果をキュッと強く抱きしめたまま、とこしえにずっと・・・・・。 瑠璃果はいま幸せに包まれています〜。 たまき:今のパンパンて音で催眠術が解けたのかなぁ。 ・・・まだちょっと正気じゃないみたいだけど。 ちょっと、瑠璃果ちゃん!?(ゆさゆさゆさ) 瑠璃果:んがっ、んがっ、んがぁっ・・・ しょ、正気です先輩!ちょっと夢見心地だっただけです! あれ、ここは?・・・どこですか? たまき:レイボーブリッジの上だよ。 瑠璃果ちゃんを追いかけてここまで来たんだからね。 瑠璃果:わたし・・・そうだ、先輩と追いかけっこをしていました。 私が逃げると先輩が追いかけてきてくれるんです!もう夢のよう! すごく楽しかったなぁ・・・。 たまき:じょうだんじゃないよ〜! ・・・おかげで私がどんな目にあったか。 あのお〜警察のかた、お騒がせしてすみませんでした。 どうやらこの子、正気に戻ったみたいなんで、もう大丈夫です。 ほら、瑠璃果ちゃんもあの人に謝って。 瑠璃果:えっと、あの、 す、すみませんでした・・・? たまき:じゃあ私たちはこれで。 さようなら! 監理官:ちょっと待ちなさい! このまま帰らせるわけにはいかないわよ。 (ギギギ・・・ギ・・・ギギ・・・ピギンッ) 監理官:なに?なんの音? たまき:・・・上のほうでした音みたいですけど。 瑠璃果:あっ、あれ!あそこ! ワイヤーが切れてる! 監理官:なに!? (ピギンッ!バキンッ!ギギギ・・・バキンッ!) 瑠璃果:あっちでも、こっちでも・・・・ それに、気のせいかな、 いまちょっと地面がガクンとさがったような感じがしましたよ? たまき:見て、道路に隙間ができてる! 瑠璃果:先輩、なんだか怖いです・・・ EOD1:(ザッ)監理官、監理官が今いる橋の中央部で、 何かが破裂するような音が聞こえました。 なにがありましたか?大丈夫ですか? 監理官:今の爆発で、この橋を吊るワイヤーが何本か切断されているみたい。 ワイヤー1本1本に、そのワイヤーを切断できるだけの少量の爆薬が 仕掛けてあって、それが時限装置で起爆したようだわ。 ええと、切られたのは橋の片側のワイヤーだけね。 反対車線の南側のワイヤーは異常ないわ。 それにもう爆発はそれでおわったみたい。 ・・・せいぜいこけおどしね。 補修も案外簡単に済むんじゃないかしら。 EOD1:・・・・・・しかしいったい、なぜそんなところに爆発物を? 手間もかかるし、仕掛けた数だけ発見されるリスクも高くなるのに。 そうまでして、ワイヤーを切断してなにが目的なんでしょう。 監理官:仕掛けた爆弾の数が多ければ、警察が処理しきれないと思ったのかも。 深い意味はないのかもしれない。 イカレた犯罪者の考えることだから、理にかなっていないこともあるわ。 もとも、あなた達が処理したその爆発物が予告どおり爆発していたら もっと大変なことになっていたでしょうけどね。 EOD1:我々が処理したこの爆弾だって、もっとわかりにくい場所に隠しておけば 発見されずに今ごろ時間通りに爆発していたはずです。 しかし、見つけてくれといわんばかりに堂々と通路の中央に置かれていた・・・。 監理官:なにを気にしているの? EOD1:この爆弾が我々を足止めする「オトリ」である可能性です。 支柱部分でこの爆弾が発見されたせいで、 橋の中央部はまだひととおりの捜索しかしてないんでしょう? 監理官:たしかに、そこに爆弾があったおかげで ワイヤーを切断するための爆薬は発見されなかった。 しかし、結果的に被害は最小限だったわ。 EOD1:・・・監理官、犯人が爆発物を仕掛けた目的は、 爆弾を仕掛けてただ世間を騒がせる、ということではないかもしれません。 さきほど言いましたね、ここでこの爆弾が爆発しても 被害はせいぜい道路に穴があく程度だと。 それですむのはこのメンテナンスゴンドラのある場所が橋の主塔のすぐそばで、 爆発の衝撃に耐えうる、構造上もっとも頑丈な場所だからなんです。 ・・・逆にこの橋の最ももろい場所は監理官のいる中央部です。 そこで爆発した場合、被害はもっと大きくなります。 そして今、その中央部のワイヤーが念入りに切断された・・・。 私の推測が正しければ、状況が指し示す方向はひとつです。 監理官:どういうこと? 犯人の目的はなんだというの? EOD1:橋の中央部に未捜索の場所に 爆薬が仕掛けられていている可能性が大きいです。 仮に昨日のビッグサイトのと同じレベルのものだとして、 それがいま橋の中央部で爆発すれば、 爆発の衝撃と、爆発時に橋にかかる下向きの負荷で、 切れかけたワイヤーのほとんどが切断されるでしょう。 そして切れずに残ったワイヤーには、 橋の全重量が一気にかかることになります。 本来、トータルなバランスで橋を支える構造のレインボーブリッジが、 そのバランスの変化に耐えられるかどうか・・・・ 監理官:つまり、犯人の目的は・・・ EOD1:犯人はレインボーブリッジを落とすつもりなんです。 それも必要最小限の爆薬だけで。 ・・・そこは危険です! 監理官:あなた達、早く車に乗りなさ・・・・ ドカンッッ! 瑠璃果:きゃあっ! 監理官:うわっ!! たまき:ひゃああっ! (ゴゴゴゴゴゴゴ・・・) アナ:ご覧ください! レインボーブリッジが、レインボーブリッジが爆破されました。 爆発は橋のちょうど中央部でおこりました。 爆発の衝撃で橋がたわみ、上下に波打っています! (ドドドドドドドド・・・) 紅蘭:えらいこっちゃ・・・・ 少女:これは・・・・すごい魔法じゃ!! のぅ、のぅ、今度こそ魔法じゃろう? 紅蘭:魔法とちゃうっちゅうねん!! たまき:う〜〜、おなかに響いた〜〜〜。 ・・・けほけほ。 瑠璃果ちゃん、大丈夫だった? 瑠璃果:耳がキー−−ンてして・・・・ なんかフラフラ・・・・ エレベーターで上がったり下がったりしてるみたいに・・・ 気分悪くなりそうです。 ギギギギ・・・・ゴゴゴゴゴ・・・・・ たまき:外を見て。 橋がすごくゆれてる。 フラフラするのはそのせいだよ。 警察の人、大丈夫かな。 瑠璃果:爆発で飛ばされた車の中にいたんですよ。 車はひっくり返ってかなり壊れたみたいですし・・・・ たまき:姿が車の中に見えるけど、全然動かない・・・・ わたしちょっと様子を見てくる。 瑠璃果:先輩、待って下さい!近づいたら危ないですよ! テレビドラマでよくあるじゃないですか、 事故を起こしてひっくり返った車が「ドカーン!」って爆発するの。 たまき:なら、なおさら早く助けないと。 瑠璃果:でももう死んじゃってるかもしれなぃ・・・・ (ビキン、ブキン・・・) 瑠璃果:・・・何の音? あっ、またワイヤーが切れてる! (ビキン、ブキン・・・) たまき:見て、橋が上下にゆれて、 下がったときにワイヤーに重さがいっぱいかかるんだ。 また切れた。 このままいくと・・・・・・ (ビキン、ブキン・・・)(ビキン、ブキン・・・) (ビキン・・・・・) ・・・・・・・・ガクン たまき:うひゃああっ!? 瑠璃果:きゃああ!せんぱぁああああいっ!! (ガシャーーーン!) たまき:あいたっ! ・・・・あだだだだ、頭んところを打っちゃったよ。 瑠璃果:先輩、危ない!後ろ!! 車が落ちてきますーー! たまき:え? (ゴッシャーン!) たまき:うわあああああっ!? (ゴオォォォォォ・・・バキバキバキ) たまき:ああああ、危なかった〜。 あやうく飛んできた車につぶされるところだったぁ。 瑠璃果:ガードレールがあってよかったですね・・・・ あれ、(キョロキョロ)風景がなんかヘンですよ。 こっちが上でこっちが下? きゃあっ、横がっ!横が縦になってる! 先輩!先輩!大変です!! さっきの爆発で時空がおかしくなりました! たまき:いや、・・・時空は関係ないでしょ。 ちゃんと下は海だもん。 爆発で吊ってたワイヤーが切れて、橋が縦になってるんだよ。 瑠璃果:ああ、・・・私たち、よく助かりましたね。 運が悪ければ隙間から下に落ちていたかも。 こんな目にあって2人とも生きているなんて、まさに奇跡ですね! たまき:・・・でも奇跡って、何度も起こらないよね。 アナ:ご覧ください、レインボーブリッジが破壊されました。 レインボーブリッジが爆破による衝撃で破壊されてしまいました。 橋を吊っている片側のワイヤーが一部切断され、 橋がねじれてしまっています。 先生、橋の中央での爆発はそれほど大きなものではなかったにもかかわらず、 どうしてこのようなことになってしまったのでしょう。 解説者:レインボーブリッジは鉄骨でできたとても頑丈な橋に見えますが、 実は構造的にはただの吊橋です。 ワイヤーで鉄骨を吊り下げ、その上に道路が乗っているだけなんです。 解説者:この資料写真をご覧ください。 横方向の鉄骨は太いものが使われており、 それが橋の幅よりも短い間隔で並んでいます。 そして橋を吊っているワイヤーは、 この横方向の鉄骨を直接吊っているのがわかりますね。 それに比べると、縦方向の鉄骨は橋の両脇に細いものが4本通っているだけで 横方向の鉄骨に比べると脆弱な印象をうけます。 しかしこれで問題はないのです。橋にかかる重量は全て、 ワイヤーで吊っている横方向の鉄骨にかかるからです。 縦方向の細い鉄骨は、横方向の鉄骨をつなぐ役割しかないのですね。 橋全体の軽量化のためには、縦の鉄骨はむしろできるだけ 細く軽いほうがよいくらいなのです。 しかし今のように片側のワイヤーがあるていど切れて バランスが崩れてしまった場合、 縦の細い鉄骨では、構造物としてその形状を保つことはできません。 結果、現状のように橋はねじれてしまいます。 アナ:なるほど。 解説者:そこで問題なのは、橋を吊っているワイヤーがすでに片方のみしかなく、 設計上、これだけのワイヤーでは橋の重量を支えることができないことです。 このままですと、最終的にはレインボーブリッジは落ちてしまうかもしれません。 アナ:ありがとうございました。 再びレインボーブリッジの現在の状況です。 爆発物を捜索していた警察関係者と、さきほど無断で侵入した女性二人が レインボーブリッジ内に残されていたはずですが、無事なのでしょうか、 煙で現場の状況はこちらからではよくわからない状態です。 詳しい情報がはいり次第・・・・・ あ、ちょっとまってください、 アナ:これは自動車ですね。テレビをご覧の皆様、わかりますでしょうか、 自動車が橋の鉄骨の隙間からぶら下がっています。 一般の車両は全て通行止めされていましたので、これは警察車両、 つまり覆面パトカーかもしれません。 ・・・人は乗っているのでしょうか、無人なのでしょうか、 画像では詳しいことはわかりません。 バンパーの一部がかろうじて金網に引っかかっているだけのようで、 今にも落ちてしまいそうです。 ・・・あっ、いました!車内に人がいます!動いています! あそこから水面までは約50mほどあり、 この高さですと、落ちた先が水面でもその衝撃はコンクリートなどと 変わらないそうです。 車内の方の安否が気遣われます。
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