−− 今回の日記は「もっと高く!」のやっつけ丸師匠に捧げます −− |
1月8日(土)晴れ 今日はTPCのレナさんが家に遊びに来ています。 紅蘭と私とレナさんと3人一緒に、 キッチンでおしゃべりしながらお料理してます。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 たまき:いい匂いがしてきたね〜。 あと少しで出来上がりだよ。 レナ :いつもこんなにちゃんとお料理してるの? たまき:ええ、まあ。 紅蘭 :せやで。 ゆうても、うちはちょっと手伝うだけやけど。 レナ :いいなぁ。 うらやまし〜よ、紅蘭。 たまき:えへへ。 羨ましがるのは、食べてからにしてくださいね〜。 オーブンのほうも、もういいんじゃないかな。 紅蘭、上の段のを出しちゃって。 紅蘭:はいな〜。 (バクンッ) うわ、熱い熱い・・・。 レナ :いい色だね。 (ピピピピピ、ピピピピピ) おっと。 紅蘭 :職場からの呼び出し? レナ :うん。 (ピッ) はい、レナです。 ヤズミ:緊急事態です。 相模湾沖に正体不明の巨大な移動物体が突如出現しました。 現在、北西に向かって直進していて、 このまま進むと約2時間後にK−1地区のビル街に到達します。 すでにシンジョウ隊員とダイゴ隊員がガッツウイング1号で 偵察のため出動。 ホリイ隊員が2号で、レナさんを迎えにそちらに向かっています。 レナ :わかった。 詳しいことはあとで。 (ピッ) 紅蘭 :正体不明の移動物体って・・・何や? レナ :不明よ。 紅蘭 :なるほど。 レナ :まさかこんな事態がおこるなんて・・・。 (ピピピピ) はい。 ホリイ:レナ、こちらウイング2号。あと1分でそっちに着く。 砂浜で待っててくれ。 レナ :了解。 お料理ごめんね。 たまき:レナさん、気を付けて。 紅蘭 :何やわからんけど、がんばってな。 レナ :ありがと。 行ってきます。 (ゴオオオオオオオオオオ) 紅蘭 :あれ、TPCのハンガーにあった黒い飛行機やな。 あんなにでかい機首やったら、 着陸するときに滑走路見えんやろて思ってたけど、 VTOL(垂直離着陸機)やったんか〜。 たまき:・・・それにしても、いったい何事? 紅蘭 :よし、情報収集や! たまき:じょうほうしゅーしゅー? 紅蘭 :テレビつけてみよ。 たまき:なんだ、テレビのことか。 紅蘭 :えい。 テレビ:○○○さんと結婚間近という噂は・・・ 紅蘭 :いつもの番組やな。他の局は? えい。 テレビ:○○○さんとの関係が破局したとの情報が・・・ 紅蘭 :えい。 テレビ:ワインに含まれる、この成分が体にいいんです。 紅蘭 :・・・えい。 テレビ:じゃあ、こちらのほうだと思うかた、スイッチを押してください! 紅蘭 :もういっちょ、えい。 テレビ:以上のセットでお買い上げの方に、さらに特別にこれをおつけします! (効果音)エエ〜〜ッ 紅蘭 :・・・やってない。 いつもの平和なお昼の番組やん。 どないなってんねん。 (♪ピロンピロンピロン) たまき:あ、紅蘭。 ニュース速報。 紅蘭 :なになに。 正体不明の物体? 進路上の全域に避難勧告。 ほおほお。 PDI:(ピピ) 紅蘭 :ん? たまき:それ、レナさんの通信機じゃない? 忘れていったんだ。 紅蘭 :ほんまやな。 PDI:(ピピ) ホリイ:こちらホリイ。 レナ隊員を回収しました。 これより本部に帰投します。 ダイゴ:こちらシンジョウ・ダイゴ機。 正体不明の物体が見えました。 尾のようなものも入れて、全長は250mほどあります。 シンジョウ:全探査センサー作動。 映像を送ります。 シンジョウ:海面に隠れてよく見えないけど、 胴体には4本の足が付いているようだな。 その点、生き物にも見えるが・・・違うな。 ダイゴ:国籍その他を現す表記なし。 いったいどこの国がこんなものを・・・。 ホリイ:映像は受け取ったで。 ダイゴ、これはおそらく地球のものとちゃう。 人類の兵器思想とは異質すぎる。 レナ :ホリイさん、・・・ということは? ヤズミ:上空に偵察衛星が来ました。 上からの映像は衛星のカメラから得られますから、 周囲を旋回して、側面の映像を送ってください。 ダイゴ:ダイゴ了解。 シンジョウ:シンジョウ了解。 ホリイ:分析結果が出たら、僕のとこもに送ってや。 ヤズミ:わかりました。 紅蘭 :テレビなんかより、こっちの情報の方が早くて精確やな。 こっち見てよう。 たまき:なに?これ。 怪獣みたい。 こんなことってアリ? 紅蘭 :映画でも何でもない、 ホンマの光景やもんな。 ・・・あっ!怪獣の目が光った。 ホリイ:なんや、今の光は。 ダイゴ:メーデー、メーデー、 ガッツウイング1号エンジン停止!! システムダウン! 起動しません。 海上に不時着します。 シンジョウ:またかよ〜っ!? ムナカタ:レナ、ホリイ。 基地への帰投を中止し、 2号でシンジョウ・ダイゴ両隊員の救助に向かってくれ。 レナ :了解。 ヤズミ:シンジョウ・ダイゴ機は、あの移動物体から 光が発せられたのと同時にエンジンが停止しています。 いまのは何らかの攻撃とおもわれますが。 ムナカタ:ウイング1号からのデータからはなにかわからないか? ヤズミ:光と同時にあらゆる数値が跳ね上がっています。 システムダウンの原因は、これと特定できません。 1号を調べればわかるはずですが。 ムナカタ:なら、まだ攻撃と決めるのは早い。 ・・・それに、あれが攻撃だったとしても、 こちらには即座に反撃する手段はないしな。 我々は軍備を解体したんだ。 とにかく、引き続きあの移動物体の解析を頼む。 ヤズミ:はい。 ダイゴ:・・・無事着水。 不時着に成功しました。 シンジョウ隊員は(いつものように)気絶していますが、無事です。 イルマ:(いつものように)無事でよかったわ。 いまウイング2号がそちらに向かっているから。 ヤズミ:隊長。海上保安庁の巡視船2隻が、 これよりあの物体に威嚇射撃を行い、停止を呼びかけるそうです。 危険な為、当空域は飛行禁止空域に指定。 TPCの航空機に引き上げ要請がありました。 不時着した機体の乗員、ダイゴ隊員とシンジョウ隊員は、 海上保安庁の救難ヘリが回収してくれるそうです。 イルマ:う〜ん。 やっぱり日本政府はTPCにまかせておかないわね。 ムナカタ:・・・2時間以内に当海域に到着できる巡視船は何隻だ。 ヤズミ:現在接近中の2隻だけのようです。 ムナカタ:ということは、日本政府の駒はこれだけということだな。 隊長。最終的に作戦は我々にまかされるでしょう。 ヤズミ:TPC参謀本部より、GUTSへ撤退命令です。 ムナカタ:ウイング2号。 シンジョウ・ダイゴ両隊員の救出は海上保安庁に任せる。 彼等は救難のプロだ。 心配せずにすぐに基地に戻れ。 レナ :了解。 ・ ・ ホリイ:ただ今帰投しました。 レナ :同じく帰投しました。 ムナカタ:ごくろう。 ヤズミ:ホリイ隊員。移動物体の外装の分析が出ました。 やはり生物ではありません。 材質は、セラミックや金属とも違うようです。 ・・・樹脂に近いようですがまったく未知の物質です。 これはいったい・・・。 ホリイ:ということは、やっぱり・・・地球外のものか。 このあいだの侵入者の騒ぎといい今回といい、物騒になってきたなぁ。 あ、巡視船が威嚇射撃を始めよったで。 でも12.7mmなんか撃っても、 停止なんかせんわなぁ。 ヤズミ:今のところ、移動物体の進行速度は変ってません。 ホリイ:ところで隊長はどこに行ってはるんや。 ムナカタ:参謀会議だ。 今回の件にTPCはどう対処するか、のな。 ホリイ:対処ゆうても軍備は解体されて、ぼくらに武器はないんでしょう。 ・・・打つ手なんかあるんですか。 ムナカタ:まあ、やりようはある。 ヨシオカ:いったいあれは何なんだ。 イルマ:分析の結果、地球上のものではないことが判明しました。 おそらく地球外生命体のものです。 その目的などについては、目下調査中です。 名前だけは・・・。 コードネームはケルベロスと決まりました。 ヨシオカ:いずれにしても名前は必要だ。 ケルベロスは海上保安庁の停止命令にも従わなかったようだな。 海自のおさがりのイージスも、武装がなければただの船だ。 イルマ:ウイング1号と同様、巡視船2隻も突然機能停止しました。 いまのところ海上保安庁からの情報がない為、 その原因については不明です。 ヨシオカ:・・・わからんことだらけか。 サワイ:とにかく、このままケルベロスが進攻を続けると、 K−1地区に被害が出る可能性が大きい。 到達するまでに全住民の避難はむりだ。 あれを足止めする方法は考えておく必要がある。 ヨシオカ:足止めなんて悠長なことを言っている場合じゃないだろ。 ケルベロスが進攻を続ければ、 K−1地区に続いて被害はますます広がる。 だから私は軍の解体には反対だったんだ。 以前の軍備さえあれば、ケルベロスに対して効果的な対応が できたはずだ。 サワイ:・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 秘書 :総監。局長。ケルベロスよりメッセージが届いています。 ヨシオカ:なんだと? 秘書 :モニターに出します。 異星人:これより我々の戦闘メカのテストをこの惑星で行いたいと思う。 この星が3回自転する間にどれほどの破壊行為が行えるか、 というテストである。 もとより我々の科学力に貴君らの力が及ぶはずもないが、 できるものなら反撃して欲しい。それもテストのうちだ。 また、降伏はいかなる条件でも、これを認めない。 それでは健闘を祈る。 ヨシオカ:・・・何と一方的な。 これは事実上の宣戦布告だな。 これから72時間、連中はこの地球で好き勝手をするということだ。 秘書 :総監。総理からお電話が入りました。 サワイ:・・・うむ。・・・わかった。 イルマ君。 日本政府より、TPCに正式に出動要請があった。 GUSTは現存する戦力でなんとかやつを足止めして、 住民の避難の時間を稼いでくれ。 イルマ:はい。すぐに作戦に取り掛かります。 では失礼します。 サワイ:・・・キミ。 宇宙開発局に連絡を。 秘書 :はっ。 イルマ:・・・ということよ。 ホリイ:テストやとぉ? ふざけたことぬかしよって。 ムナカタ:シンジョウとダイゴはどうなった。 ヤズミ:2人は救難ヘリに無事救出されましたが、 そのあと船の機能が停止してしまったため、 海上で身動きが取れないようです。 ムナカタ:では作戦はこの4人で行う。 ・・・ヤズミ、船はなぜ水に浮かぶと思う? ヤズミ:それは・・・・・・、船体の材質が鉄にしろ何にしろ、 船体と中の空気とを合せた比重が 水の比重よりも軽いからです。 ムナカタ:そうだ。水より軽いものは浮く。 水上を航行中の、このケルベロスもそうだ。 従って、奴の周囲の海水の比重を、奴の比重よりも軽くすれば、 奴は海に沈む。 この海域は水深1000メートルはある。 うまく行けば、水圧で押しつぶすこともできるかもしれん。 ホリイ:「海水を軽くする」なんて、簡単にいいますけど、 いったいどないして、 ・・・・・・そうか。 ムナカタ:泡だ。 細かい気泡を含んだ水の比重は軽くなる。 奴の進路上の海底に圧縮空気を詰めたタンクを敷設し、 タイミングを計って爆破する。 タンクは宇宙開発用に作られたものを使う。 ホリイ:ほな、潜水艦ドルファー202のスタンバイを・・・ ムナカタ:いや、潜水艦では奴に感づかれる危険がある。 作戦には地底ドリル戦車ピーパーを使おう。 海底の地下にタンクを埋設するんだ。 ホリイ:なるほど。 それやったら、新型のガッツディグゆうのが2台あります。 開発局からテスト依頼があって、ここにあるんですわ。 ムナカタ:それは大丈夫なのか? ホリイ:はい、そりゃあもうバッチリ。 ピーパーよりもパワーがあって、高速で掘り進めるんですわ。 ムナカタ:では、ホリイ、レナ両隊員はそれぞれガッツディグに乗り、 こちらの指示する地点にタンクを敷設してくれ。 ガッツ出動!
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