12月25日(土)晴れ

たまきは宮古はんとデートやゆうのに、うちはキサラはんと一緒に、
こないなところで仕事納めのお食事や。
きさらはんは店に入る前にタバコを買いに行ってもうた。
店の入り口にうち一人いるのもなんやし、

ちょっと離れたところで、きさらはんを待つ。
クリスマスやいうのに、なんやさみしーなぁ。

と、そないなことを考えてたら、目の前に見慣れた顔が・・・・・・。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 紅蘭:ちょっと、たまきやないの。
    こないなところで、なにしてんねん。
たまき:やあ・・・紅蘭。
    わたしは宮古さんと一緒に来たの。
    今、宮古さんが先に行って予約の受付してくれてるんだけど・・・。
 紅蘭:ああ、ほんまや。あれ宮古はんやな。
たまき:紅蘭こそどうしたの、一人で。

あらぐうぜんね

 紅蘭:一人とちゃうわ。
    きさらはんと一緒なんやけど、
    あの人はいま、外にタバコ買いに行ってはるんや。
たまき:そうなんだ。
    きさらさんもいるのか〜。
    どうしようかな・・・・・・・。
    実は今、きさらさんに相談したいことがあってさ。
 紅蘭:って、あんたデート中とちゃうの?
    宮古はんほったらかしで。
    ほら、宮古はん、店の入り口でキョロキョロしてんで。
    あんたを探してるんとちゃう?
たまき:そうなんだけどさぁ・・・・・・。
 紅蘭:きさらはんやったら、そろそろ戻って来るはず・・・・・・、
    ああ、来はった来はった。
    ほれ、宮古はんのうしろに見えるやろ。
たまき:ほんとだ。
    そういえば、きさらさんはまだ、宮古さんに会ったことないんだよね。
    ちょうどいいから紹介しちゃおうかな。
 紅蘭:せやね。
    

 宮古:たまきさん、まだかなぁ・・・・・・。
きさら:自販機、近くにあってよかったなぁ。
    この銘柄は、なかなか・・・
    おお?
(ぽんぽん)
    ミヤじゃない。

 宮古:なんだ、・・・大徳寺か。

みやこさんときさらさん

たまき:・・・あれ?
    あの二人って?
 紅蘭:・・・初対面とちゃうんか?

 宮古:先週は付き合ってくれてありがとうな。
    でも、・・・なんでお前こんな所にいるんだ?
きさら:忘れたの?
    この店はあたしがアンタに教えた店じゃんか。
    よく来るんだよ。
    アンタこそ、ここでなにを・・・・・・
    あっ、いけない!
 宮古:もう、タバコはやめろってば。
きさら:それどころじゃないよ〜。
    たまきちゃんも一緒なんでしょ?
    まだ見つかってないといんだけど〜〜〜
(キョロキョロ)
    あ、いた。・・・・・・こ、こっち見てる。
 宮古:ああ、あんなところにいたのか。
    紹介するよ。あの子が寺月・・・
    お、おい?
    ちょと、・・・まてよ。
    今なんて言った?

たまき:・・・きさらさん、宮古さんを知ってる?
    どういう事?
 紅蘭:あの二人、知り合いやったんか?
    知らんかったなぁ。
    なんや親しそうやんか。

たまき:・・・・・・そうか。
    髪の長い、キリッとした美人・・・・・・
    先週、宮古さんと一緒に街に行ったのは、きさらさんなんだ。
    きっと博物館で白石さんに会った彼女もきさらさん。
 紅蘭:・・・・・・あの二人がどないしたって?
たまき:でも、それもこれもみんな、私に黙ってた・・・・・・・?
    ・・・・・・そうか。
    やっぱり、いまもふたりは・・・・・・・・・
 紅蘭:・・・・・・?
    たまき?
たまき:宮古さんときさらさん、・・・きっと恋人同士なんだよ。
 紅蘭:はぁ?そんなアホな。
    嘘やろ?
たまき:私、なにがなんだかわかんないよ・・・・・・。(たたたた・・・・
 紅蘭:あっ、たまきぃ。
    ・・・・・・行ってもうた。

たまき:宮古さん、きさらさん、
    ふたりとも・・・なんで私に黙ってたの?
 宮古:え?なにが?
きさら:ああっ、たまきちゃん!
    これにはワケが・・・・・・・・・
たまき:ふたりとも、
    
・・・ひどいよっ。(たたたたたた・・・・・)

かけおりるのはきけん

きさら:それ、なんか誤解してる・・・あ〜、行っちゃった。
    あっちゃあ〜、参ったな〜もう。
 宮古:・・・・・・なんでお前がたまきさんの顔を知ってるの?
    まだ紹介したことねぇだろ?
    彼女もお前のこと知ってるみたいだし・・・・・・・。
    なんで・・・彼女、走ってっちまったんだ?
きさら:いいから彼女を追いかけなよ。
    後で説明するからさ。
 宮古:・・・そうだな。
    でもさ、俺の足で追いつけるわけねえよ。
    あの子、走るの速いんだぜ。
きさら:だからって、ほっとくの?
 宮古:そりゃそうだ。
    じゃあな。
 店員:あの、お客様。
    お席の用意が出来ましたが。
 宮古:ああ〜・・・すいません、キャンセルします。
 店員:しかし、お料理のほうはもうすでに・・・・・・
 宮古:よし。大徳寺。お前、金払っといて。
    よろしく。
(タタタタタタ・・・・・)
きさら:はぁ〜?
    ・・・・・・わかったよぅ。
    その支払い、あたしのテーブルに回してくれる?
 店員:かしこまりました。


きさら:あ〜〜〜〜あ。
    まさかここで鉢合わせするなんて・・・。
 紅蘭:きさらはん。
    宮古はんとは前から知り合いやったんか。
キサラ:・・・うん。
    実はそうなんだ。   
 紅蘭:なんでそれをウチらに黙ってはったん。
    あんた、いったいなにを企んでたんや?
きさら:愛のキューピッド大作戦。
    ・・・それが裏目に出ちゃったの。
 紅蘭:それじゃあ。
    説明になってへんで。
きさら:そうだ、たまきちゃんのケータイに電話してワケを話そう。
 紅蘭:・・・ウチのケータイで電話しようか?
    ようわからんけど、今の状況やと
    きさらはんのケータイからの電話は、たまきは取らんかも知れんし。
きさら:ディスプレイにあたしの名前が出るもんね。
    じゃあ、そうしてくれる?
 紅蘭:その前に、何がどうなってるんかウチに説明しいや。
    あんたが悪いんやのうて、たまきが誤解しているんなら
良し
    でももしも、きさらはん。
    たまきにつまらんちょっかい出した結果がこれなら、
    ウチはあんたを許さへんからな。
きさら:(怖ぇ〜)
    わかった。正直に話すよ。
    実はさ・・・・・・・

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ウチはたまきが心配やった。
あの子は思い込みが激しいさかい、よくないことがあると
どんどん悪いほうに悪いほうに考えてまうから。
たまきの誤解なら早く解いてあげなアカンし、
きさらはんに非があるんやったら、ウチがたまきの味方になってあげな。
宮古はんと付き合い出してからここ数週間、
あの子ホンマに楽しそうやったから・・・・・・。

きさらはんから話を聞いたウチは、たまきに電話をかけた。


   
 


 次の日記に続きます