6月8日(火)晴れ 紅蘭のお仕事の手伝いで、キサラさんが泊まり込んでいます。 いつものように朝方まで、2人で頑張っていたようです。 ちなみにあのあと、お客さま用のお布団を買っておいたので、 もう紅蘭が私のベッドに来る心配はありません。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 たまき:ああ〜、今日はいい天気じゃん。 梅雨のあいだはお日様のありがたみをしみじみ感じるね。 暑くなる前に走りに行こっと。 キサラ:お、おはよお〜、・・・たまきちゃん。 たまき:あれ、キサラさん。もう起きてきたんですか? 昨日は遅くまでお仕事していたんじゃぁ・・・。 キサラ:・・・・・・・・・んぅ。 たまき:キサラさん? キサラ:・・・仕事自体は案外早く終わってさ、・・・ううん ・・・そのあとすぐに寝ればいいのに、 紅蘭とだべってて、・・・結局寝たのは ええと、・・・4時くらい、かなぁ。 たまき:それなら、まだ寝ていたほうがいいんじゃないですか? まだ3時間くらいしか・・・。 キサラ:それが、そうもいかなくてさぁ。 ・・・今日は ・・・午後から用事があるんだよ。 またこれが大事な用事で、 ・・・気が重くて。 たまき:ああ、そうな・・・ キサラ:だから、・・・ん〜 ・・・二度寝はできないっていうか、 ・・・起きる自信がないっていうか。 つまり〜、・・・本当はもう少し寝ていたかったんだけど、 ・・・たまたま目が覚めちゃったんだ・・・ って話、したっけ? たまき:・・・いいえ。 キサラ:そうか。うん。目が覚めちゃったんだよ。 それで・・・ たまき:・・・・・・・・・そ、 それで? キサラ:ああ〜んと、・・・どこまで話たっけ〜。 たまき:・・・もしかしてキサラさんて、めっちゃくちゃ朝に弱いんですか? キサラ:あはは〜、そうなんだよお。 ・・・な〜んかまだ半分寝ているみたい。 今こうやって、たまきちゃんと話しているのが夢だったとしても、驚かないな。 たまき:そんなこと言うと、 「今回は夢オチか?」、なんて思われちゃいます。 キサラ:そんなことも気にしてるんだ〜。大変だね。 まーいいじゃない、夢オチでも。 たまき:良くないですよ。 キサラ:そっか。 ・・・じゃあこれは現実ということで、 洗面所、借りるよ〜。 たまき:キサラさん用の歯ブラシありますよ。このあいだ買ってきたんです。 キサラ:ああ、ありがと。・・・でも今日は自分のを持ってきてるから。 ん〜、忘れたときにでも使わせてもらう。 たまき:そうですね。 キサラ:んじゃ〜。 (パタパタパタパタ) たまき:・・・キサラさんて、起き掛けはボケボケなんだなぁ。 ちょっと意外な感じ。 キサラ:ぶえっ、ぺっぺっ、なんだこれ?変な味の歯磨き・・・・・・ビ、ビオレ?(笑) う゛え゛え゛〜〜 たまき:・・・・・・・・・。 たまき:コーヒー煎れておきましたよ。 キサラ:ありがとう。いやもう、おかげでだいぶ目は覚めたけど・・・。 口直しにいただきます。(ズズ…)ハァ〜〜(#⌒ー⌒#) たまき:キサラさん、何時ごろここを出るんですか。 私これからちょっと走りに行ってきますから、 すぐに出掛けるようなら、鍵をかけていって欲しいんですけど。 キサラ:一旦家に戻る時間を除いても、まだ1時間くらい余裕あるよ。 たまき:じゃあ、一緒に行きますか?頭がスッキリしますよ。 キサラ:・・・走るの? たまき:はい。 キサラ:朝から走るのはちょっと。散歩なら付き合うけど・・・、 たまき:それなら、散歩にしましょう。(笑) キサラ:・・・いいの? たまき:せっかくの梅雨の晴れ間ですから。 こういう日は外に行かないと損ですよ。 キサラ:そうだね。 う〜ん。で、どこに行くの? よく行くお散歩スポットとか・・・。 たまき:そうですねぇ〜。 ちょっと歩くと、むかし灯台があった場所があるんですよ。 綺麗な所ですから、キサラさんもきっと気に入ると思いますよ。 キサラ:よさそうじゃない。行きましょうか。 たまき:じゃあ用意してきます。待っててくださいね。 キサラ:カンカン照りなのに、空気がしっとりしているね。 ああ〜、なんだか体の毒がぬけていくみたい。イイ気持ち。 たまき:体の毒、ですか? キサラ:ニコチンとかカフェインとか。 たまき:(・・・そうそう抜けないと思うけどな) まぁ、リフレッシュですね。 キサラ:この辺はいいね。自然がいっぱいでさ。空気もいいし。 それに静かだし。 たまき:そうですね。 ここに越してきて良かったな〜って思うときって、結構ありますからね。 今日みたいな日もそうですよ。 木とかが、ほら。 キサラ:うん・・・? たまき:ここのところ雨が続いていたから、 久しぶりにお日様にあたれて、なんだかとっても張り切っているみたい。 緑がとっても綺麗に見えますもんね。 キサラ:そうだね、ほんとに・・・。 このあたりは、まだ昨日の雨が残っているね。 たまき:木の葉に遮られて、あんまり日光が地面までとどきませんからね。 わたし、こういう湿った林の匂いって嫌いじゃないです。 キサラさんはどうですか? キサラ:・・・・・・・・・・・・。 たまき:キサラさん? キサラ:ん?・・・なに? たまき:・・・どうしたんです? まだ眠いですか? キサラ:違うよ。もう、眠くないよ。 ・・・ちょっと考え事してたの。 木を見てて思ったの。 毎日雨が降っていても、そのうち晴れる日が来るものだよね・・・。 そしてそんな時って、今まで降り注いでた雨を糧にして、 木はこんなに生き生きするもんだなって。 たまき:・・・・・・・・・・・・? キサラ:ああ、変な事言ったね。気にしないで。 灯台跡は、まだ? たまき:そろそろ頂上です。 キサラ:おお〜、いい眺めじゃない。 高い所から見る海もいいねぇ。 底のほうまで見えるよ。 たまき:ね、いいところでしょう♪ キサラ:ホントだね。(ピキン、シュボッ) こういうところで吸うタバコがまた・・・(パチャッ) ・・・ふぅ〜〜。 いいんだよね。 たまき:せっかくいい空気にところに来たのに、わざわざ煙を吸い込まなくても〜。(笑) キサラ:ん〜、まあ、そういうものだと言うことで。 たまき:コーヒー飲みますか?ポットにアイスコーヒーを詰めてきたんです。 氷が溶けて、冷たくなってますよ。(カロンカロン) キサラ:飲む飲む。 うわぁ〜、ありがとう。 キサラ:なんか落ち着くねぇ。 このままずっとこうしていたい・・・。 たまき:ここで風に吹かれていると、な〜んとも言えませんよね。 キサラ:いいね〜。 たまき:・・・・・・・・・・・・・・・・。 キサラ:・・・・・・・・・・・・・・・・。 たまき:・・・・・・・・・・・・・・・・。 キサラ:たまきちゃんてさ、その、好きな人が出来たら・・・どうする? たまき:えっ? なんですか、突然。 キサラ:ごめんね。それであの、 ・・・これは「知り合い」のことなんだけどさ。 って言ってもホンランのことじゃないよ。 ちょっとたまきちゃんの意見を参考にしたいんだ。 好きな人が出来たら、たまきちゃんならどうするのかなって思って。 例えばいきなり告白しちゃうとか、とりあえずお友達になるとか。 たまき:う〜ん。いきなり告白はしませんよ。 いいな〜と思っても、その人のことをよく知らないと、やっぱりちょっと。 でも、とりあえずお友達、というわけでもないですね。 ・・・ただ、いつも一緒にいたいなっていうのはありますから、 出来るだけ、その人のそばにいられるようにします。 そうすると、いつのまにかお友達になっちゃうんですけどね。 キサラ:つまり、結果的に友達にはなるけれど、 お付き合いがしたい為に友達になるんじゃないってことだ。 たまき:ええ、まあ。 キサラ:なるほろね。 で、仲良くなって、相手のことも良くわかったら、切り出してみると。 たまき:ん〜・・・・・・。 キサラ:違うの? たまき:私、実は自分から告白ってしたことがないんですよ。 仲良くなれちゃうと、それでいいかな〜って思いはじめて・・・。 キサラ:ずっと友達のままでもいいってこと? たまき:・・・そのうちに、彼の方から、その、 告白してくれることが多いんです・・・。 キサラ:ああ〜、あるある。ズルいけど、それあるよね。(笑) そうかぁ。 たまき:・・・ズルいですね、やっぱり。 なんだかんだ言って私、告白されるのを待ってる気がします。 フラれたらどうしようとか思うと、怖くて言い出せないんですけど、 怖いのは彼のほうだって同じなんですもんね。 キサラ:ワキからかっさらわれたことはないの? たまき:かっさらう・・・先に別の子に取られちゃうってことですか? そういう事はなかったですね〜、・・・あっ。 キサラ:あったの? たまき:ん〜、そういえば似たようなことが、ついこの間ありました。(笑) 結局その子も私もだめだったんですけど。 キサラ:たまきちゃんは、誰かに取られちゃうかもなんて、あんまり考えないんだ。 たまき:そうですね。私ってのんきなのかも。 キサラ:まあ、それは人それぞれかな。焦ればいいってものでもないだろうしね。 たまき:それで、その知り合いのかたですけど。 キサラ:知り合い? たまき:好きな人が出来たっていう、キサラさんのお知り合いですよ。 その人が、告白かなにかするんじゃないんですか? キサラ:おっ、そうそう。 いや、あたしも直接相談されたわけじゃないんだけどさ・・・。 そいつ、どうも告白をするつもりみたいなんだけど、 ちょっと、うまく行きそうにないんだよね。 おそらくYesの返事はもらえないんじゃなかなって思う。 (ピキン、シュボ・・・パチャッ)・・・ふぅ〜。 ・・・そいつにも、そうなるのはわかっているみたいなんだけど、 たまきちゃんと違って、前にかっさらわれたことがあってさ、 妙に焦っていて、とりあえず自分の気持ちを伝えないとって思っているのね。 そんな奴に、なにかアドバイスをしてあげられるかと思って、さ。 たまき:・・・・・・私にはよくわかりませんけど、 告白、受け入れてもらえるならいいんですけど、その可能性が低いなら、 ・・・・・・低いならしょうがないですよね。相手の気持ち次第ですもんね。 せいぜい、ふられても気を落とさないでって言うくらいしか・・・。 でも、そんなことはもう、覚悟をしているんでしょうし。 ・・・ん〜、私にはたいしたことは思い付かないです。すいません。 キサラ:ううん、そんなことないよ。 やっぱり、そのくらいのことは覚悟するよね。 駄目で元々ってつもりじゃないと、こんな告白は出来ないよ。 でも、そういうもんだよねって、誰かに言ってもらいたかったの。 たまきちゃん、ありがとう。 あたし・・・なんだかとっても気が楽になった。 たまき:・・・キサラさんが? キサラ:あ〜あ〜、うん。アドバイスする立場というか、そういう意味で・・・。 たまき:・・・そうですか。 よかったです。 キサラ:あっ、もうこんな時間じゃん。 あたしそろそろ行かなきゃ。コーヒーごちそうさん。美味しかった。 たまき:ああ、はい。 キサラ:あたし先に行くね。つまんない話聞いてくれてありがとう。 んじゃ。 たまき:キサラさん・・・。 キサラ:おう? たまき:あの〜、・・・頑張ってくださいね。 キサラ:え?・・・う、うん、ありがとう。 ガツンと言ってやるよ。 たまき:えへへ。 私はもうしばらくこの岬で風に吹かれながら、キサラさんのことを考えました。 たまき:だからって紅蘭のこと忘れたわけじゃないよ〜♪ 紅蘭:・・・なんや、えらいご機嫌やね。 おはようさん。 たまき:おはよう。 キサラさんはもう行っちゃった? 紅蘭:うちが起きたときに、ちょうど出ていかはるとこやったで。 アンタによろしくいうてはったわ。 たまき:・・・そう。 紅蘭:今日はキサラはん、いろいろ大変らしいで。 たまき:私も聞いたよ。 紅蘭:そうかぁ。 なんでも相手はこの間コンパで知りおうた人らしいな。 たまき:・・・相手の人のことは聞いてないの。 紅蘭:素朴なええ人らしいで。 写真見せてもうたけど、えらい男前やし。 キサラはんと趣味も合うててなぁ、 何度か一緒に遊びに行ったらしいけど。 たまき:うんうん。 紅蘭:ただな、 その人とは、 どうも感性っちゅうか価値観ちゅうかが合わんで、 キサラはん、デートもあんまり楽しくなかったんやて。 たまき:うんうん。 ・・・・・・・・・えっ?? 紅蘭:にもかかわらずその彼、果敢にもキサラはんにプロポーズする気ぃらしいわ。 自分追いつめるためか知らんけど、周りに決意の程を述べてるそうや。 それがキサラはんの耳に入って、 まあ、キサラはんとしては参ってるわけやな。 たまき:・・・キ・・・キサラさんが告白するんじゃないの? 紅蘭:逆や逆。キサラはんが告白されるんや。 ちゃんとキサラはんの話し、聞いとったんか? その彼のこと嫌いなわけじゃないけど、恋人になる気はないし、 きっぱり振っても友達のままでいられるかどうか。 どないしよ〜って、 キサラはん、悩んでたんやんか。 たまき:(回想している) キサラさん、 ・・・私の話を聞いて「気が楽になった」、って言ってた。 紅蘭:へ? たまき:・・・「ガツンと言ってやる」、とも言ってた。(笑) 紅蘭:ほぅ〜、そうか。 振ることに決めたんやな。 いや、そのカレシには悪いけど、その方がええやろ。 キサラはん、昨日の晩は「付き合ってみるかなぁ」なんて、 言うてはったんやけどな。 たまき:・・・・・・・・・・。 紅蘭:どないしたん、たまき。 さっきまであんなに機嫌よかったんに。 たまき:・・・何でもない。 なんでもないんだけど、なんだかその彼に悪い事したような気がして。 それに、負けを覚悟で、それでも告白するキサラさんて ちょっとカッコイイな〜って思ってたのに。 今となっては、その感情をどこに持っていっていいのやら・・・。 紅蘭:まあ結局どこまで行っても、キサラはんと彼、二人の問題やて。 たまき:それはそうですけど・・・。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 キサラさんが実際に告白されたのか、そしてそれを断ったのか、 今のところはわかりませんけど・・・、わかりませんけど・・・。 なんだかなぁ〜。(T_T;)> いつもみたいに「ま、いいか」で済ませちゃっていいのかな。(笑) でも、しょうがないし〜。 いっそのこと、結果を知れたらスッキリするんだろうけど・・・。 ま、いいか。 それでは、・・・おやすみなさい。 |